警戒しながら生きることを宣言したとたんに、今朝出勤途中でよそ見運転のおじさんの車に接触されそうになりました。一瞬覚悟して身構えましたよ。勘弁してください…。
さて、昨日の日記で言ってた?ツバメの育児の話です。 私が今の会社に入社する前、その前に勤めていた会社の有給が一ヶ月ばかり残っていたので、それを消費する間自宅家政婦状態になっていました。朝起きて、共働きの両親を送り出したあと掃除洗濯をして、午後からは夕飯の買い物に出かけ、ご飯を作ってお風呂をいれて、それはそれなりに充実した毎日だったのですが。 ある日、母がひっそりと何かを抱えて帰ってきました。 「あのね、ツバメ拾ったんやけど面倒見てくれる?」 ツバメ? 見ればすっかり羽根も生えそろった、あと一歩で大人というところのツバメです。車道のど真ん中にうずくまっていたのを拾ってきたと母は言い、とっととツバメの寝床の用意を。 うちでは巣から落っこちたスズメは何度か育てましたが、ツバメを拾ったのは初めてでした。我が家の人間の性質上、見捨てることはできませんがしかし。 雑食のスズメと違ってツバメは虫を食べる鳥です。 「…とりあえず虫捕りに行こうか!」 母とふたりで即席捕虫コンビ結成。田舎に住んでてよかった。近所の原っぱで小さいバッタを捕獲、ツバメの口を爪楊枝でこじ開けて何匹か食べさせてから就寝。 拾った野鳥が生き延びるか命尽きるかは、大体拾ってきたその日の晩が勝負です。幸いツバメは翌朝も元気だったので、一安心。そして始まった育児の日々。 初日はふにゃふにゃだったくせに、いきなり自分からバッタを食べ始めたツバメ、何しろ食う食う。 朝一番にバッタをやって、朝ごはんの洗いものをすませたらまたバッタをやって、洗濯をしながらバッタをやって、そのあと多めに食べさせてからバッタ捕り。がーっと捕獲して帰ってきたら、ツバメはもうお腹をすかせていて、私の顔を見るなり羽根をぴるぴるさせて口を開けます。こここれは、雛が親鳥に餌をねだるポーズ。 え、出会ってまだ一日なのに親鳥として認識されてる? それにしてもツバメの親って、こんなのを4つも5つも育てるなんて、そりゃあ雛が巣立ちする頃には親の方がちっさくもなるわ、と呟きつつ、暇さえあれば餌やりとバッタ捕り。バッタ捕りも最初は素手でやっていたのが、草の隙間に隠れているバッタを捕まえるには、手よりもお箸が役立つことを偶然発見。しまいにはすばしこい土バッタだの、トノサマバッタだのも難なく箸でキャッチできる熟練ぶり。すげえ俺名人級!(何を基準に言っているのか) 箸とナイロン袋を持って土手の堤防をうろつく怪しい女に、犬の散歩をしている人たちが不思議そうに声をかけてきます。 「何がいるんですか?」 「いやー、ツバメ育ててるんで餌捕ってんすよー」 「それは大変ですねー」 何故か手伝ってくれる人続出。見ず知らずの方なのに。人間捨てたもんじゃありません。 そんな苦労をして1週間面倒を見たツバメは、見違えるほど元気になり、さあそれじゃ明日にでも表に放してやろうかと言ったその日に網戸のほころびを突き破って脱走しました。 たくましく育ってくれて母は嬉しかったよ。(たくましくなりすぎ)
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