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2006年11月15日(水) 気持ちよくリンクを張るために。

初めましての日記書きさんからリンク依頼のメールが届いた。
件名に「お詫び」という文字が入っているので、なんのことだろう?と思い読んでみたら、過去に何度かうちのサイトにリンクを張ってテキストを書いたことがあるそうで、その際に連絡をしていなかったことについて謝っておられるのだった。
そのたびにトラックバックの送信を試みたのだが、いつもエラーが出てしまい、お知らせできぬままになっていた。もしかしたら小町さんのほうでトラックバック拒否の設定をしているのかもと思い、今日はメールであらためてリンクのお願いを……という内容だ。ものすごく丁重な文面だったのでこちらも恐縮して、モニタに向かってぺこぺこ頭を下げてしまった。
「うちはブログではないのでトラックバックを受け付ける機能がないのですよ。お詫びだなんてとんでもない。リンクはもちろん遠慮なくどうぞ、です」
すぐさま返事を送ったのだけれど、その方が「知らせずにいたことがずっとひっかかっていて……」とおっしゃるのはとてもよくわかった。
私もそういう気分を味わったことがあるから。

よそのサイトにリンクを張る際に許可を得る必要があるかないかといえば、後者である。それを公開した時点で自動的にその人は「リンクを張られることを承諾した」ことになるから、そのときはああしてくれ、こうしてくれと注文をつけることはできない。連絡を義務づけることもしかり。それは張る側の意思と責任において行われるものである。
とはいえ、そこは人間同士の付き合いだ。「リンクをさせてもらいますね」あるいは「させてもらいましたよ」という言葉を受け取ってうれしく思ったり安心したりする人はいても、腹を立てる人はあまりいないだろう。それによって有意義なつながりが生まれることもあるかもしれない。そう思うので、私は先方に「リンクのご報告は辞退します」という断り書きを見つけないかぎり、一報入れることにしている。
……のだけれど、一度だけ通知しなかったことがある。
その書き手とはコンタクトを取ったことがなかったため、私はリンクの報告に「いつも楽しい日記をありがとう」という気持ちを添えた文面を作った。そしてさあ送信、と思ったら。肝心のメールアドレスがどこにも見当たらないではないか。
その人が登録しているリンク集まで訪ね、アドレスの表示がないかと探したのだが見つからない。
「うっそー。メールを送れないサイトがあるなんて……」
が、よく考えたら、そこはブログなので読み手が感想を送りたいと思えばコメント機能を使えばよいわけだ。そのためメールアドレスが置かれていないのだと気づいた。
しかし困った。「○日更新の私のサイト(http://www.****.****.html)でリンクをさせていただきます。どうぞよろしく」なんてメッセージを投稿したら、ほかの読み手の目にはまるで宣伝ではないか……。
頭を抱えていたら、たまたま過去ログの中にリンクに関する記述を発見。「ご自由にどうぞ」とあるだけで報告がほしいといったフレーズはなかったので、本意ではないがその言葉に甘えさせてもらうことにした。
けれど、なにかこうすっきりしないものが残ったので、「これからも可能なかぎりは連絡を入れよう」とあらためて思ったのだった。

もうひとつ、個人サイトにリンクを張る際に気をつけていることがある。
少し前、元同僚から「mixiって知ってる?もし会員だったら、招待状を送ってほしいんだけど……」というメールが届いた。
あら、やっとパソコンを買ったのねと読み進めたら、そうではなかった。自分は現在、会社のサイトを運営・管理する業務に就いているのだが、このところmixi内部からのリンクがよくある。不当に会社の評判を落とすような内容でないかが気になっているのだが、閲覧できない。mixiの運営事務局に事情を話して頼んでみたが開示してもらえなかったため、会員になって確認したいのだ……という話だった。
そう、私が「こういうリンクの張り方は避けよう」と思っているのがまさにこれ。相手がこちらのテキストを読むことができない場所からはリンクをしない、ということだ。
私自身はリンクを逆探知してもどこからかいな?と確かめに行くことはないけれど、それに気づいたら必ず読みに行くという人もきっと少なくないだろう。もしそのとき該当のページにアクセスできなかったら、ナイーブな人なら「なにか悪口が書かれているのでは……」と不安になるかもしれない。本当は「こんな素敵なサイトがありますよ」と紹介されているのだとしてもそれはわからないのだから、「正体不明のサイトから大量に人が流れ込んできた、怖い!」となってしまっても不思議はない。実際、親しい日記書きさんの中にもmixiをやってみようと思った理由のひとつに「以前リンクを張られたことがあって、読めないのが気持ち悪かったから」を挙げる人がいる。
SNSやパスワードで読者制限をしているサイトからのリンクがいけないわけではないのだけれど、いらぬ気を揉ませることになるとすまないものな、と私は思っている。

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以上、「どうせなら気持ちよく張りたい」私のリンクの“後味”をよくするための工夫、二点でした。