※ 前編からどうぞ。
サイズは文庫本をひと回り大きくしたくらい。ノンブルがないのでページ数はわからないが、三百ページの文庫本よりもやや分厚い。持ち歩くのに支障のない大きさ、重さだ。
恐る恐る中を開く。
「まああ、本当に私の書いたものだわ……」
当たり前のことにじいんとする。
これはサイトの文章、という頭があるためだろうか、横書きでもまったく違和感はない。画像もいくつか使用したが、モノクロでもきれいに表示されている。
一字一句違わぬ文章なのに、パソコンで読むのとはまた雰囲気が違う。なんだか“一端のもん”みたいだ。川上さんじゃないけれど、勘違いしちゃいそう。
表紙のデザインはかなりシンプル……というか地味で、「カバーを外した状態の文庫本」と言えばイメージしていただけるだろうか。だから書店に並んでいる本と比べたら、そりゃあ見劣りはする。
しかしながら、巻末にはちゃんと奥付(書名・著者・発行者・印刷者などを記載した部分)があり、「本書の無断複写・複製を禁じます」というおなじみの一文も入っている。自宅でプリントアウトしてホッチキスで留めたようなものとはやっぱりぜんぜん違う。
ページを繰るごとにうれしさが増してきた。
* * * * *
今回利用したのは「きゅるる」というブログなのだが、あちこち覗いてみると、私と同じように他のところで書いている日記を本にするために登録したという人がけっこういるようだ。
そして、そういう人たちが書籍化とセットで利用しているサービスが「ブックストア」。作った本をオンライン販売してくれるのである。
私は「出版社に行ってきた」の中で、出版プロデューサーの方に「重要なのはターゲットの層から共感を得られる内容にすること」と言われ、「原稿を本にする」と「出版する」はまったく別物なのだということに気づいた、と書いた。
自分のためだけに本という形にしたいということであれば、お気に入りのテキストばかりをチョイスして一冊に、ということもできようが、書店に並べるとなると少なくとも初版分をはくだけの商品力が求められるため、外部からコントロールされる部分が生まれる------ということなのだが、このブックストアなら自分の好きなように作った本を販売できるという、おいしいとこ取りができるのだ。
しかも、ノーリスクなのである。これにチャレンジしない理由はない。
……と思ったら。
「うっそー!表紙のタイトル、間違えられてるーー」
ここで、あ、ほんとだ、と相槌を打ってくれた方は皆無だと思うが、うちの正式名称は「われ思ふ ゆえに・・・」なのだ。
「“ふ”と“ゆ”のあいだは一文字空くんです」
管理人さんに連絡したら、製本しなおしてもらえることになった。
というわけで、ブックストアでの販売は表紙の修正が完了してからにしようと思っているので、みなさましばしお待ちください。
フフッ、冗談、冗談!
超豪華本……あっ、間違えた、超“高価本”なので「買ってネ」なんてとても言えません(なんせ文庫本が五冊も買えてしまう値段なのである)。
でもせっかくなので、近いうちに宣伝を兼ねた本の詳細説明のページを作るつもり。「私もここで書籍化してみようかな」と思った方にも参考にしていただける内容にするので、トップに見慣れないボタンかアイコンが増えているのに気づいたらぜひ見てみてね。
日記の書籍化に興味がおありの方へ。
自分の書いたものを本にするって、思った以上に素敵なことでしたよ。私はサイト開設五周年のいい記念品になりました。
ブックストアでの販売もちょっぴり夢がありますよね。