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本日のBGMは、
映画『どろろ』の主題歌、 Mr.Childrenの『フェイク』でお願いします。
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先日、かの有名な『きっこのブログ』を久々に読んでみた。
最近ウサン臭い話題が多過ぎるので、きっとマナ板の上に載せられているだろうと思って、 昨年の耐震強度偽装ネタ以来1年ぶりに読んでみたわけだが、ま〜相変わらずスゴかった。
案の上、話題のネタが次々と鋭利な包丁で斬りまくられていたのだが、しかしこの日記、 本も2冊出してるし、もはや大新聞や雑誌の対極に位置するメディアと化した感あり。
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なぜ『あるある』ばかりが叩かれる?
まずは、先日の日記でも触れた『「あるある」大事件』。 実験結果や教授のコメントが捏造なだけでなく、「納豆のダイエット効果」そのものも アヤシかったらしいですね。根本から捏造だったってことでしょうか。あきれる。
僕はテレビを全く観ないので、TV番組がどのくらいインチキしているかなんて、 実際のところはよく分からんが、少々の捏造なしには番組なんて出来んだろうとは思っていた。 しかし、『きっこのブログ』を読んで具体的に驚いた。業界全体に漂う倫理観にあきれた。
それにしても捏造なんて、今に始まった話でもなく、極めて日常茶飯事なのに、 なんで『あるある』ばかりが血祭りに上がるのか?という疑問もあるかもしれない。 だが僕は当然だと思う。捏造しようがどうでもいい番組と決して許されない番組とがある。
『24○○テレビ』で、クルマで移動しながら「マラソン完走!」と叫ぶイリュージョンも、 『○っちの料理○ョー』で、予め用意していた魚を手に持って「釣れた!」と喜ぶマジックも、 そんなくだらない捏造など僕的にはどうでもいい。いつまでも勝手にやってろ、という感じ。 視聴者の気分を害するかもしれないが、身体的経済的に迷惑がかかるわけではないので別にいい。 要は、創り手のポリシーとか企業としてのコンプラとか、そっちの議論である。
では、捏造があってはならない番組とはなにか?それはもちろん報道番組や情報番組だ。 そもそもよく云われる『情報バラエティー』とは何だ?このカテゴリ名そのものがウサン臭いのだ。 報道や情報番組はニュースや情報をコンテンツとする以上、真実であることが番組価値だ。 だから「ウソ」であってはならない。それは視聴者の言動行動に影響を与える可能性があるからだ。
数ある捏造の中で『あるある』が責められるべき理由はここにある。 もちろん、視聴率があって影響力がある番組だったことも血祭りにあげられる理由の一つだが、 『あるある』の最大の罪は、身体に影響を与えるかもしれない情報でウソをついたことだ。
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『アパ』のアッパレな政治力
さて、身体に影響を与えかねない捏造ネタで、一番旬といえば「アパ」である。 耐震強度偽装系の話で一番リアルな情報を得たいならば、間違いなく『きっこのグログ』だ。 先日読んで、まず僕が驚いた…きっこ風に云うと「ビックル一気のみした」のがこの事実。
アパの偽装をイーホームズの藤田社長が告発した翌日に、大新聞がそろいも揃って、 「藤田氏の方を非難した」ということだ。告発されたアパの疑惑には一切触れずにである。 これらの新聞記事は僕も先月に見たが、『きっこ〜』を読み、ヒューザーの時より醜い裏工作を 知るにつけ、日本の既存メディアに寒気がした。同時にアパの元谷社長夫妻に吐気をもよおし、 なぜか安倍首相に悪寒が走ったのだ。意味が分からない方は彼女のブログを読むべし。
昨年、僕もこのブログ上で、ヒューザーの時に耐震強度偽装問題についてコメントした。 「構造強度」は、住宅検討者にとって自らの命を預けるに値するかを見極める大切な検討項目だ。 にもかかわらず自分の目で確かめられない…つまり、信じるしかない「神の領域」なのだ。 そういう部分でウソをつくという行為自体、建物で商売する資格がない以前に人間として罪だ。 『きっこ〜』によると、アパは偽装を知りつつ1年も黙ってたらしい。人の命よりカネなのだ。 絶対に許してはならない。今回も建築士1人に罪をなすりつけて事件を消そうとしているのだ。
そんな感じで、罪を背負わされようとしている今回の建築士の名は「水落光男」というらしいが、 逆ギレしちゃったのか、「この程度の偽装ならどの建築士もやっている」と云い放ったらしい。 ちゃんと真面目に仕事をしている構造設計建築士の方は本当にいい迷惑だ。この水落とやらに 同情する気になれないが、再び世間の風当たりが強くなる他の構造設計士の方々には同情する。
これは、僕が仕事をしている分譲マンション広告業務での話だが、あるプロジェクトで、 物件説明会をやることになり、僕ら広告代理店をはじめ、事業主から設計・施工担当など、 プロジェクトのスタッフ全員が集まって打合せをした時のことである。その会議には当然、 構造設計担当の建築士も出席をしていて、自らが担当する物件説明の内容を話したところ、 スタッフの女性から「真面目すぎ。固くて分からない。要点だけで短く簡単に」と意見されたのだ。 その構造設計士の方は、どこか姉歯建築士を彷彿とさせる刹那的な風貌だったにもかかわらず、 思いのほかとても熱い人だった。「短く簡単に」という意見に対し彼は次のように語った。
=========================================== 「固い感じがするのはスミマセン。でも分かりづらくても分かるまで説明しようとする姿勢が 大切だと思っています。分からなければ分かるように言葉や表現を言い換えて説明します。 決して短く簡単にしたくはありません。そうするぐらいなら、説明しないことと同じです。 私たち構造設計担当の建築士は今、それが使命だと考えています。昨年の「姉歯」以降、 業界の方はもちろん、一般の方からも色々と云われました。『お前を信じていいのか?』と。 物件説明会みたいな場に呼ばれて、エンドユーザーの前に出て話す機会は以前もありました。 だけど昨年までは、私だけなく同業の人間は皆『どうせこんな固い話、分からないだろう』 と思いながら淡々と説明をしてました。エンドユーザーと距離があったんですね。だからこそ、 あの事件が起きたのです。我々構造に携る人間は皆『これではいけない』と思いました。 一時期静かになった耐震偽装の話も、最近『アパ』の事件が発生して再び注目されてます。 分からない事だからこそ、しっかり説明を行うべき使命が我々にはあると思っているんです。」 ===========================================
構造設計の建築士たちは必死である。今まで遠かった一般エンドユーザーの前に出て行って、 設計の信頼性、建物そのものの信頼を維持しようと必死である。その一方で、客と向き合って 建物で商売している者達が、もみ消してカネ持って、闇へと逃げこもうとしている。
『きっこの〜』によると、アパ偽装事件の全ての容疑者をつなぐひとつのキーワードがあるらしい。 それは「安晋会」。その「安晋会」副会長がアパの社長とのこと。 世のニュースに疎い方でも、「安晋会」という文字を見れば、さすがにピンと来るでしょう。
絶対に逃してはならない。
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捏造、偽装、すべてはフェイク
ちなみに、賞味期限切れ原料使用を黙っていた『不二家』もいわば品質の消極的偽装だ。 「あるある」の『関テレ』『アパ』、ついでにこの『不二家』も仲間に入れるとして、 この偽装集団3社に共通してるのは「身体的影響に関わる偽装」ということ。 『ライブドア』や『村上ファンド』のフェイク(粉飾)も許しがたいものであったが、 迷惑被ったのは資産に余裕のあるお金持ちだけだ。それに比べて『あるある』『アパ』の罪は、 殆どの国民の身体に関わるユニバーサルな問題だ。だから絶対に許せない。 当事者達のその腐った倫理観や、その無節操な企業コンプラを徹底的に叩き直してほしい。
そして同じく、国民の身を危険に晒してもオッケーと云わんばかりに主戦派の安倍首相。 『アパ』疑惑の裏で行われている事が表面に出ずとも、既に失政ばかりで国民失笑するばかり。 首相就任時の支持率も甘いマスクの偽装だったのか、只今絶賛急降下中。
そう、実は「美しい国、日本」は、 「美しく見える国、日本」だったのだ。
すべてはフェイク。
070209 taichi
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