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- 2006年05月21日(日)
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- 海外投資家のため息「オイシイ日本は終わった…」
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20日の毎日新聞に、 米ウォールストリート・ジャーナル紙の記事の紹介が出ていた。
============================================== <米紙>国際金融市場の不安定化は日銀が原因との見方示す 【ワシントン木村旬】19日付の米ウォールストリート・ジャーナル紙は 「日銀の量的緩和政策の解除で、世界中に出回っていた超低金利の資金が急減し、投資家を神経質にさせている」 との分析記事を掲載し、国際金融市場が不安定さを増しているのは日銀が原因との見方を示した。 同紙は「日銀の量的緩和で、世界の投資家がタダ同然の資金を大量に手に入れ、 高利回りのアイスランドなどにつぎ込んで利益を得てきた」と指摘。 だが「量的緩和が3月に解除され、30兆円あった当座預金残高がわずか2カ月でほぼ半減したため、 投資家が神経質になっても不思議ではない」と論評した。 日銀の福井俊彦総裁はゼロ金利の解除時期を慎重に探る姿勢を示しているが、 同紙は「それでも全体の流れは変わらず、資金調達が高くつくようになることが 投資家を不安にさせるだろう」と、今後も不安定な相場が続くとの見通しを示した。 (毎日新聞) - 5月20日10時4分更新 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060520-00000028-mai-bus_all ==============================================
「国際金融市場が不安定となるつつあるのは、日銀のせいだ!」 というウォールストリートジャーナルの記事。
そりゃーそうだ。ごもっともである。 2001年3月19日にからまる5年間つづけた、世界的に異例の金融政策である 「量的緩和政策」を解除したんだから、そりゃ日銀が原因でしょ。 それは事実。
それを仮に、「何故に解除するんだ!もっと続けるべき!」などと評してるなら、 「ちょっと待て!オマエラな〜」と云うところだが、そんなこと書くわけがない。 あくまで事実を書いてるだけなので、記事内容に全く異論はない。
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この記事を見て思う事は、 今まで黙っていた世界の投資家達の本音が赤裸々に見て取れて 実にオモロいな〜ということでしょうか。
=========================== 「同紙は《日銀の量的緩和で、世界の投資家がタダ同然の資金を大量に手に入れ、 高利回りのアイスランドなどにつぎ込んで利益を得てきた》と指摘。 ===========================
日銀の量的緩和策が、世界各国の投資家にとって いかにオイシかったかを改めて感慨深げに語っている。 「オイシかったのに〜、チッ!、新しい仕入先に困るな〜」 という文句を赤裸々に表現しているわけだ。実に生々しい書き方でよい。 そんなに儲けてたんだ〜ということがよく分かる。笑
日銀の蛇口から30兆円も余計に円がジャバジャバ出て来て、 超低金利で資金調達出来たのだ。そりゃーオイシイ。 「こんなのありえねー」と5年間ウハウハ云いながら、日本マネーを買い続けていたのだ。
しかし世界の投資家の皆さん、量的緩和策はあくまで日本を救出する策なのだ。 「日本国内にあるお金の量を増やしましょー」が目的なのに、 アンタらがウハウハ買い占めて、国外へ円を持って行ったおかげで、 内需拡大の足を引っ張ってたつーわけだ!!そりゃー効果が出るまで5年もかかるわ! (↑…ってこれはあくまでジョークですけど)
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ちょっとおさらいだが、量的緩和策は簡単に云えば 「銀行の日銀当座預金残高を増やすから、もっと企業や個人に貸し出してよ!」という政策。 法定の準備残高は6兆円程度。それを30兆円にまで上積みしたわけである。
日銀の金融政策といえば、公定歩合の上げ下げを中心とした「金利政策」。基本はこれだけ。 1999年に日銀は「ゼロ金利政策」を採用した。これ以上の金融政策はない。しかし、 2000年に景気の浮揚が見込めると判断して解除したが、再び景気は落ち込んでしまい、 2001年に日銀は「お金の総量を増やす」ことを決めた。これが異例中の異例の策「量的緩和策」だ。
そうして銀行へ流した30兆円によって、本当はもっと早い段階で、 銀行から企業へ融資→設備投資拡大。雇用拡大→賃金も向上→消費の拡大。 または、住宅ローンなど低金利の金融商品にて家計へ融資→消費拡大。 いずれもマネーサプライの「量の緩和」により、民間需要拡大を狙ったはず。
しかし、遅々として5年もかかったのは、 1.多くは不良債権の補填や借金返済に使われて、設備投資や消費に回らなかった、 2.海外投資家や企業にジャンジャカ買われて、国外へ円が消えていった、 …ためである。内需への刺激に繋がらず「量的緩和策」の効果が現れなかったのだ。
海外のハゲタカ投資家どもに「オマエらな〜」と云いたい所だが、 当然そんなのはナンセンス。小さ過ぎる話で、あくまでジョーク。
そもそも日本は、バブルが崩壊して1500兆円の資産が吹っ飛んだと云われている。 この数年間で国債は300〜400兆円増加した。政府が借金してあてがっているわけだ。 毎年約20兆円の国債を返して、新たに40兆円の国債を買っている現状である。 バブルで消えた額というのがあまりにデカ過ぎたのだ。時間がかかって当然。
もう一つ、量的緩和で流れて来たお金を、企業や資産家が使わずに、 慎重に溜め込んでいる点も時間がかかった要因であろう。いよいよこれから出てくるはず。 それが出てこなければ、我々中流階級が景気回復を実感することはないだろう。
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さて最後に、 今後の景気回復判断とゼロ金利解除についてだが、
=========================== 「日銀の福井俊彦総裁はゼロ金利の解除時期を慎重に探る姿勢を示しているが、 同紙は《それでも全体の流れは変わらず、資金調達が高くつくようになることが 投資家を不安にさせるだろう》と今後も不安定な相場が続くとの見通しを示した。」 ===========================
海外投資家の皆さん、我々日本で働く労働者からすればアンタ等のことは知らん。 これまでは日本が格安の「仕入れ業者」だったのかもしれんが、もう終わった。 我々サラリーマンは、オイシイ格安業者が倒産したり値上げしたり逃げていったりすることなんて、 そんなの日常茶飯事の中商売やってんだから、投資家の皆さんもがんばってくださいな。 普通の状態に戻るだけなんだから。
さてさて、量的緩和が解除されて、30兆円あった当座預金残高は半分に減った。 有識者の見通しでは、6月には10兆円を切ってくるとのこと。その段階から、 少しずつ金利が上昇し始めるのではないかという予測もあるが、日銀はゼロ金利解除を 簡単にはしない。2000年の失態のトラウマがあるうえ、慎重にデフレ脱却を見極めるだろう。
それにだ、景気回復はいいが、我々生活者にまるで実感がないのは何故だ? 金利も上がるそうだし、様々な財やサービスで物価も上がると云われてるが、賃金はどうなんだ? 企業経営者も資産家も、抱え込んでるものがあるのなら早く下々に出してほしい。 マクロな視点での景気回復話題はもう分かったから、早く身近な手応えが欲しいところ。 我々が手応えを感じてから日銀はゼロ金利解除してくれ。 給料少ないのに金利や物価だけ上がっても困る。それとも・・・
やっぱり今からでも遅くないから投資家にでもなって、資産運用に励む方がオイシいのか?
でも資産がない笑。
060521 taichi
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