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- 2006年03月29日(水) ∨前の日記--∧次の日記
- サクラを詠んで一句。




淡 色 の

ひ と ひ ら 見 ぬ も

春 知 ら ず



卯 月 の 桜

逢 わ め ど 散 る か

















お粗末です・・・


*************************************








桜の季節になりましたので、久々にコトバあそび。
短歌チック川柳です。


桜の詩は、古今問わず数多し。
何故に桜は愛されるのでしょう・・・。
今回は恋のすれ違いを詠んでみましたが、
いやいや、やはり言葉あそびは深くて難しい・・・。









【上の句】


「淡色の ひとひら見ぬも 春知らず」


桜色って、やっぱりセンチメンタルですよね。
ちょうどこの季節、卒業や引越、入学や新天地での生活など、
出会いや別れなどが多い時期であり、人のココロが揺れ動くのが桜の季節。
暖かくなるとともに、恋愛模様も移ろいゆくものです。
桜の咲く季節になると、私も過去の様々なシーンを思い出されます。
桜の色はやはり恋の色?
ちょっとベタで恥ずかしいフレーズですが、そう想うわけです。




■「淡色の」

桜の色が己の中に芽生えた感情の象徴とします。
一方、桜の花びら一枚をまじまじと見たことがありますか?
見ると桜色ではなく、淡いピンクをたたえた白なんですね。
白なのか?桜色なのか?どちらにも転びそうな微妙な色です。
どちらとも云えない感情、言動、行動を指す。






■「ひとひら見ぬも」=「ひとひらの花びらは見ているが」

※見ぬも・・・・「ぬ」は進行および完了の意。「見てはいるけれど」


想う人=Aさん。想われてる人=Bさん。・・・とします。

Aさんからの微妙な言葉や行動を日々見ているBさんだが、
その言動の一つ一つは、白ともピンクとも云えない微妙なもの。
Bさんは、Aさんの一連の言動を結ぶ全体像に気づかなければ、
それがすべてがBさんへのサインだと分からない。





■「春知らず」=「桜の花が咲いているのに気づいていない」

「春」=桜の花。「知らず」=気づかず。

桜の花=「Aさんの想い」または「Bさんの恋の芽生え」を指す。
Aさんの想いに気づかない。そしてBさん自身も己の本心に気づかない。





■上の句まとめ

(解釈)
淡い白の花びらが集まって始めて桜色に見えるもの。
花びら1枚を見ているだけでは、それが桜の花であることに気づかない。

(意味)
相手の微妙な言動の一つ一つに捕らわれていては、
そのすべてが、相手の「好き」のサインだと気づかない。
ましてや己の本当の感情にも気づかない。










【下の句】


「卯月の桜 逢わめど散るか」




■「卯月の桜」=「4月の桜」

4月の桜はつまり「旬を過ぎた散りゆく桜」である。
これに関しては地域差があるでしょう。
私の田舎である長野では、4月初旬が桜の見ごろですので、
「旬を過ぎた」という解釈はピンと来ないかもしれません。
さらに東北地方では4月こそ旬の時期でしょう。
なので、本当は地域を限定する言葉が入れば完璧なのですが、
それが入ってない分、詩の出来としてはマイナスです・・・泣

さて話を戻して、「桜」は「恋心」の象徴とするならば、
「卯月の桜」の部分を、「相手の想いに気づくのが遅すぎた」
という解釈をしてもらえるとうれしいかな〜。



■「逢わめど散るか」=「逢いたいのに散ってゆくのか」

※「逢わ・め・ど」⇒「め」は「む(意思)」の已然形。「ど」は否定や逆説。


「4月の桜」を受けて締めの句です。
逢いたいと思う頃には、相手の想いが消えていく・・・という解釈。

ちなみに「逢わ」は、上の句の「淡(あわ)」と音をかけてます。
さらに、「逢わめど散るか」は「泡と散るか」に聞こえないかな〜気持ちがありましたが、
ま〜これは無理があった。ダジャレにもなりきれなかった〜。




■下の句まとめ。

(解釈)
四月になって、散り始めた桜がようやく目に止まった。
もっと逢いたいと思いはじめたのに、桜は散っていくのか・・・・

(意味)
やっと相手の気持ちに気が付いて、自分の気持ちにも火がついた。
さて、逢いたいと思う頃には、相手の気持ちは冷めていることよ・・・・









【全体通しておさらい】


相手の言動の微妙な一つ一つにとらわれて、それがサインだと気づかなかった。
想われているのに気づけず、自分の本当の感情にも気づかない。

しばらくしてようやく相手の気持ちを知った。
自分の気持ちにも火がついて、いよいよ逢いたいと思う頃には、
相手の気持ちは冷めていることよ・・・・








どうですか?

そんなセンチメンタルな桜の季節・・・




060329
taichi
...
    

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