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- 2005年03月10日(木) ∨前の日記--∧次の日記
- 祝・全面戦争宣言!ホリエモンの野望を図解でおさらい!

フジのTOBが成立し、ニッポン放送株の約36%、
議決権比率で約39%獲得したとの発表があった日、
大井競馬に出走した堀江社長の愛馬「ホリエモン」は
失速して着に…。



フジテレビは、
25%超えでニッポン放送の議決権獲得はもちろん、
33%超えで重要事項に関する拒否権も獲得した。

(ライブドアが50%獲得して経営権を掌握しても、
 経営に関する重要事項に拒否権を行使出来るため、
 ニッポン放送に対するライブドアの単独経営を阻止できる)



フジの日枝会長の勝利宣言ともとれる悠然たる態度を見ながら、
ホリエモンは、おなじみの決め台詞「想定内」と言い放った。



そして、昨日9日にホリエモンは、
下記のような「全面戦争宣言」をした。


================================
ライブドアが、ニッポン放送の株の買い増しを進めた結果、
50%を保有して経営権を獲得した場合、さらに、
フジテレビの株を25%以上買い増しする予定である。
================================


と、こういうことである。
完全に泥沼長期化覚悟の全面戦争宣言だ。


うひょー、そうこなくっちゃー。
これも「想定内」なの?本当〜に「想定内」だったの?、

っていうか、「想定してた」って云うのは、
単に「覚悟してた」気取った云い方なのかな?



本当にこの人は、第三者的に見る限り、楽しませてくれるわー。
マスコミにとってはたまらん素材だよな〜この人。








**************************************




さて、ここで、
ホリエモンの野望を、これまでの流れを図解にして
おさらいしてみましょう。

ハラ自身、あまり得意な分野ではないため、
私が分かりやすいように図解にしているので、
皆さんにも分かりやすいかと思います。

分かってる人には申し訳ないです、ちょっとお付き合いください。






【前回の日記より】


『2005年03月03日(木) ホリエモンは「コミュニケーション」を知れ!』にて、
下記のような例で、フジとホリエモンのニッポン放送の奪い合いを説明しました。




これは、ホリエモンがどういうコミュニケーションを
フジの日枝会長に仕掛けたかを強調したかったために、
こういう想定にしたのですが、この例でハラは一つ、
大事な事に触れていませんでした。




『なんでそこまでしてホリエモンは、
ラジオ局のニッポン放送を奪おうとしているの?』

と思いませんでしたか?





それは、次の図を見てください。

今やフジテレビはニッポン放送より大きな会社で、
ニッポン放送はフジにくっついてこそ生きながらえる状態になってますが、
実は、株の保有率からいうと、
フジよりニッポン放送が上となる
逆転現象が起きているのです。


フジはニッポン放送の云う事を聞かなければならなかったのです。




上記の「フジ家」と「ニポ子」で云えば、
「フジ家」の祖父はその昔、
「ニポ子の家」の養子だった

ということになります。


つまり、ニッポン放送が
フジを育ててきたというわけ。


なぜかと云うと答えは簡単。
テレビより先にあったのはラジオだからです。
当時の主役はラジオだったのです。
今のネットのように、当時「新しいメディア」と
呼ばれていたのが「テレビ」だったのです。

ニッポン放送が出資をして、
新しいメディアを立ち上げた、
それが今のフジテレビなのです。



「フジ家はニポ子の家の云う事を
聞かなければいけなかった…」
そんな昔の名残が、株の保有比率に
残されていたということ。



それをなんとかしないとヤバい
と思って、フジはTOBを始めたわけで、
そこにつけこんだのが、
M&Aのハイエナ・ホリエモンだったのです。









【ホリエモンの当初の野望】



フジテレビが憂慮していた事=ホリエモンの野望ということです。


ホリエモンの狙いは、ニッポン放送ではなく、
初めっからフジテレビなのです。


ていうか、「フジサンケイグループ」ということでしょう。






グループの盟主たるフジテレビを支配するのに、
なんと、小さなラジオ会社を買収すれば出来てしまう、という、
なんともまあ、危うい関係のグループだったという事です。
そりゃーハイエナに目をつけられるわけですよ。








【当初の野望が散った現状】

こんな感じです。

ポイントは、フジとニッポン放送の、お互いの株保有率の関係。
筆頭株主のAは、株を保有している会社Bに対して
当然の事ながら議決権を持つわけですが、
BがAの株を25%以上を保有している場合、
AのBに対する議決権は無くなるらしいのです。

今回の場合、A=ニッポン放送、B=フジテレビ、なわけですが、
そういう意味で、フジテレビはTOB目標を最低25%としてたわけです。





ニッポン放送が持っていたフジテレビへの議決権を断ち切ること。
=ライブドアのフジテレビ間接支配の可能性を断ち切ること。


今後どうなるか分かりませんが、
ホリエモンの当初の野望がかなう可能性はなくなったのです。









【ホリエモンの今後の狙い】



下記の図が、今回の「フジ株25%以上買い増し」発言の狙いです。






「あわよくば、フジ」はもう捨てて、

「絶対にニッポン放送は乗っ取る!」という意思表明。



図中にもあるように、これをするにはまず、

1.50%まで買い増しを進めること。
2.ニッポン放送の「新株予約権」の差し止め請求が認められること。

が、必要になります。

1は時間の問題として、2の法廷闘争については、
昨日のニュースで、「個人株主も差し止め請求を申請した」と報道されており、
ホリエモンの請求は認められるのではないかとの予想が有力です。


そうなると、50%獲得の上で経営権ゲットとなります。


そして、ニッポン放送にフジ株を買い増しさせるというわけです。
25%取得によって、互いに互いの株を25%以上持ち合うことになり、
互いに、互いに対する議決権が無くなる事になります。
これによって、今回フジがTOBで獲得したニッポン放送への議決権を無効に出来る。
すなわち、ライブドアが誰にも文句を言われず、ニッポン放送を経営出来る。


ただし、ここまで行く間にフジはきっとやるでしょう、次の手を。
おそらく、ニッポン放送という「箱」がライブドアの手に渡ったのは良しとして、
次は「箱」の「中身」を奪い合うことになるのではないか?


人材の引き抜き、ソフトの買い占めや処分など、
フジとしては、ライブドアが開ける「箱」の中身を、
なるべく空っぽにしてやろうと動くに違いありません。


もう、ここまで来るとガキのケンカですが、それぐらいにフジは、
ホリエモンに対して感情的になっているでしょう。



ちなみに、ライブドアが買収した子会社の社員は、
「堀江社長の行く先が、あまりに見えないし、
しかも全く知らされないので、ものすごく不安だ」と云ってるようです。

これは「その社員が疎くてバカなのがいけない」とかではなく、
やはり、ホリエモンが社長として、最低限社員にしなければいけない
コミュニケーションを怠っていることが問題であろう。

まるで、社員全員を人質にとって目隠しをさせたまま、
ひとりでスリルなマネーゲームを堪能している

ように見えるのだ。


あ〜野次馬でよかった。






完全に全面戦争状態ですねー。
野次馬的には最高にワクワクしますが…

フジをここまで「キレさせた」ことも、
堀江サン、やっぱり「想定内」ですか?



050310
taichi
...
    

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