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- 2003年09月26日(金) ∨前の日記--∧次の日記
- HONDA、反撃開始。

newストリーム雑誌広告




新しい、ホンダ・ストリームが、今日26日発売された。

上がその雑誌広告。









「 ポ リ シ ー は 、 あ る か 。 」






と、ホンダはおっしゃってます。


そのココロは、
「走りにこだわる。スタイルにこだわる。」ということらしいが・・・、






******************************




それはさておき、新しいストリームだが、



「新しい」といっても、あくまで「大きなマイナーモデルチェンジ」であって、
フルモデルチェンジではないのです。


んで、どこが変わったかというと、旧型ストリーム(右の写真)と見比べればよし。



新ストリーム旧ストリーム




顔ですね。

特にヘッドライトとか。ツリ目で何かけわしい感じに。










なんか、





超〜にらんでますよ。

ものすごい憎い奴を。

















誰ですか?その憎い奴は・・・
















こちらです。












ウィッシュ雑誌広告








お花畑ですよ。

しかも超満開。








ご存知、今年の1月発売以来、売れに売れちゃって、
花から花へ蝶々が舞いまくりの、トヨタ・ウィッシュ君です。
まさに、WISH COMES TRUE。




覚えていますか?

宇多田ヒカルの新曲「COLORS」とコラボレーションした販促展開で話題となり、
年明けからTVーCF等で盛んに宣伝していた、あのクルマです。


その効果も相まってか、ホント超売れてます。
月別販売台数1万台は軽く超え、5ナンバースポーティーミニバンというカテゴリの1等賞どころか、
4月には全車種の中でも1等賞に!

(つまり4月は、あのカローラよりも、昨年ベストセラーのフィットよりも売れたわけです。
特にカローラなんて、セダン・フィールダー・ランクス・スパシオのブランド合計なわけですから、
価格が高めのミニバン1車種でこれだけ売れているのは凄いらしい)









********************************





さて、そのトヨタ・ウィッシュ。



一般人には、宇多田ヒカルの曲とのコラボ広告のイメージで認知されてるが、
業界的には、それとは全く関係ない別のところで話題となっていたクルマである。


発売前から業界で熱い議論を呼んでいたのが、その商品企画のコンセプト。


ウィッシュが、業界内のごく一部の批判的な人たちから、
前述のストリームの車名をもじって、







パクリーム


と呼ばれていたのは有名な話である。







そう、ウィッシュは、
トヨタが研究に研究を重ねて満を持し市場に送り込んだ、

キラー《ストリーム》マシン

であった。







ホンダ・ストリームは、シビックと同様のプラットホームをつかって開発された、
いわば「シビック・ミニバン」。これが2000年に発売されると、
その走りとスタイルが新しいクルマファンと若年ファミリーを捉え、瞬く間に当時の大ヒット車となった。
それ以降、オデッセイ・ステップワゴンとならびホンダの強力ミニバン部隊の一角を担っていたわけである。



ストリームによって切り開かれ浸透し築き上げられた、スタイリッシュミニバンというおいしい市場を、
トヨタはウィッシュで根こそぎ奪おうと企んだわけである。


このウィッシュは、ストリームを殺すことだけが目標だったといっても過言ではない。


結果は周知の通り、
ホンダの飛車角・ストリームを殺すにあきたらず、
王将・フィットをも殺しかねない
という、
トヨタ陣営も思ってもみなかった状況になっている。





おかげで広告もご覧の通りに様がわり。

当初はストリームつぶしということで、同様に少し若年よりのターゲットへの浸透を、
宇多田ヒカルとのタイアップ広告で図ったわけである。
しかし、予想以上に売れてしまったことにより、オールターゲットへ訴求する広告へと変わった。
それが前出の「お花畑広告」。「WISH comes true」の下のリードコピーでは、
「『娘』の好きな花を、世界一のスケールで見せてあげたい」などと、パパっぽい人の台詞が入ってます。
売れたがため、もはや一部層にとどまらないオールターゲットへ向けてのファミリーカーとなり、
現状の販売台数を維持するための「守りの広告」へと変えたわけである。

いやむしろ、ただ単に、
何もせんでも売れる状態だから超余裕の「手抜き広告」かもしれないが・・・。





*******************************





トヨタは、ホンダ・ストリームを徹底研究して、
ウィッシュという商品を創った。

市場で有力なシェアを持つ商品を研究し、
それを凌駕する商品を投入することは業界の鉄則であり、当然である。

ではなぜウィッシュは、
業界のごく一部から「それってどうなの?」と云われたのか?それは






「パクリーム」の呼び名の通り、

トヨタが明らかにストリームをパクったからである。








これも有名な話なのだが、両車の車体のサイズを見てみると

全長/4550mm、全幅/1695mm、全高/1590mm

これらのスリーサイズ、両車すべて同じなのである。普通はあり得ない。
同じカテゴリの商品を出そうしたわけだから、似たようなサイズになって当然なのだが、



商品企画的に、1mmも違わず、
全く同じサイズにする必要があるだろうか?




絶対無いと思う、
っていうか同じなのを嫌って、あえて5mmか10mm大きめにずらすのが普通。

それなのに、トヨタが確信犯で同じにしたのだとしたら、
そこに込められた意味は、ただ一つ、









堂々たるパクリ宣言。







これしかない。絶対そうである。
ホンダに対して、「ああ、パクりましたけど、何か?」
と云ってるわけである。すげえ。



この点を業界では「どうなの?」と云われていたわけである。
「お客さんの方を向かずに、ライバル会社の方だけを向いてクルマ創るのってどうなの?」と。
「そもそも、寸法から全て同じにして、つまりはパクって、それで売れてうれしいの?」と。








**************************************







しかし、この話を雑誌で読んで俺は思った。

トヨタって汚ねえ会社だな〜・・・ではなく、すげえ会社だな〜と。

あえて、そう評価させていただきますという感じ。





トヨタの「ウィッシュ」というメッセージを訳すと、
おそらくホンダに面と向かって、こんな風に云っている感じになるはずだ。

(下記はあくまで私の勝手な推測)





「ホンダ君。キミの長所はいつも独創的で開拓精神に溢れているところだ。
オデッセイの時もそうだが、今回もストリームというクルマで新しいカテゴリの市場を
切り開いて普及させた功績はすばらしいと思う。感服するよ。
しかしホンダ君、キミはそこまでなんだよ。未開の地を切り開くまでなんだよ所詮は。
新しいものに飛びついてくれたせっかくのお客さんを、次のステップへ連れて行けないんだ。
分かるかねホンダ君?その答えがこのウィッシュだ。
このウィッシュが売れた場合、何が違うのかよく考えてみるんだな。
車体は全く同じ大きさにしたから、より比べやすいと思うよ。
まあ、新しさの強みでこちらが始めに売れることは当然の原理でキミも分かっているだろうが、
一時期は全車種ランクのベスト5内の常連で、あれだけ一世を風靡したキミのストリームが、
万一20位圏内からも脱落してしまった時は、私のウィッシュを見ながらその理由を考えてみるといい。」


(ちなみにウィッシュが登場して以降、ストリームは20位以内には現れなくなった・・・)










なんて会社だろうか。
さすが格付けAaaである。



堂々とパクる。

ベースをパクった上で、容赦なく弱いところは改善して攻めてくる。そして、
「同じものを創ったワケじゃなく、それより良いものをつくったんだから何が悪い?
お客にとってはいいことだらけじゃないか」
とでも云わんばかりに、市場へ悠然と送り込む。
さらには
「クルマの創り方売り方ってのが甘いんだよ」という
ライバル会社への暗黙のメッセージを、分かる人にだけ分かる場所に込めて。







トヨタは分かっていた。







クルマ業界全体を俯瞰して考えていた。それはトヨタだけが見ることの出来る俯瞰図。
ストリームが主力購入層としていたターゲットが、業界全体とってもどれだけ注目すべき魅力的な層であるかを、
トヨタはホンダ以上に分かっていたに違いない。
それだけにストリームというクルマの魅力を、トヨタはホンダ以上に理解していたに違いない。

だからそんなパクるような真似をしてまで市場のドンたるクルマを殺し、その市場ごと奪いにいったわけだ。





こんなこと、トヨタにしかできない。

トヨタのクルマは売れるわけだ。











****************************




ホンダ、半年やられっぱなし。




そして、ついに今日、反撃の口火を切ったのが
冒頭のストリームの広告。











ホンダはトヨタに、

まずはこう云いたいのだ、









モノを創る会社として・・・



ポリシーはあるか





030926
t a i c h i




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