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- 2003年09月04日(木)
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- CCCDって(2)「AVEXとSMEと業界と」
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昨日ののつづきです。
(昨日、このアニキも怒る!!)
そもそも なぜ、コピーコントロールCD(以下表記『CCCD』)なるものが出たのでしょう?
核となる2社のコメントが掲載された記事をごらんください。
AVEXにコピーコントロールCDについて聞く (AV Watch 02/3/18特別編)
下記は上記記事の要約です。
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理由は2つとのこと。
1つ目の理由は違法のファイル共有・交換と、 CDーRへの過度のコピーの増加。
「基本的に音質の変わらないクローンCDができあがるという意味で全く違います。」
「イニシャルオーダーのCDがコピーされて出回り、結果としてレンタル店も伸びていないらしいですね。 その一方でブランクCDーRの伸びは物凄いようですから。」
2つ目の理由は「啓蒙活動」。
「こうしたCDを出すことで、あえて波風をたたせて議論が巻き起こってくれればと。 その結果、アーティストや作家へのリスペクトってどういうことなのか、 どうやって彼らにお金がまわっているのかを考えていただきたいんです。」
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「レーベルゲートCD」についてSMEに聞く (AV Watch 02/12/11特別編)
下記は上記記事の要約です。
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「音楽ビジネスを行なっていく上で、著作権保護というのは大前提です。 CD−Rへのコピーはダビングというよりも、同じもの作るという意識があります。」
「CDを聞く環境としてパソコン(以下『PC』)が60%以上と、コンポを抜いて トップとなっていました。これはかなりの数だなという実感をもっています。」
「PCでCDを正当に複製し楽しんでいる音楽ファンに対して、むしろ積極的にアプローチをし、 新たなチャンスとして捉えたいと考えています。PCという、これだけオープンなものがあることを前提として、 自分たちの権利を守るにはどうするか、というアプローチです。」
********
まあ、両者とも正論ではある。
こんな経緯で、CCCDなるものが販売に至ったわけだ。
この2社(特にエイ○ックソ)への言及はとりあえず置いといて、
やれ、CDーRがヤバイ!
やれ、ネットが駄目!中古がイカン!・・・。
音楽業界各社は、 昔の、売れたよき時代に 想いを馳せ過ぎているのではないか?。 と思うわけです。
室内余暇へのお金のかけ方が 変わってきているのではないか?そうでしょ?
室内余暇のひとつである「音楽」には2種類の欲求がある。
お気に入りのアーティストのCDパッケージを購入したいという「所有欲」と、 商品購入はさておき、とにかく聴きたいという「観賞欲」。
音楽業界のよき日、
まだネットもなく、デジタル化もそれほど進んでいない時代・・・ 室内余暇のためのハードはテレビとコンポのみ。TV番組を見るかTVゲームをやるか、 そして部屋にこもって音楽を聴くか・・・その程度しかなかった時代。
だからこそ、CDを観賞することに加え、パッケージ所有の喜びそのものが、 当時の室内余暇の大きなウエイトを占めており、お金を使ってでもそれを買う意味があった。
しかし、今や情報に溢れ、ホビーに溢れ、空いた余暇時間で 自分が何をやりたいのか、選ぶのに困ってしまうぐらいに溢れている。 テレビ(地上波・BS・CS)、ビデオ、コンポ、TVゲーム、インターネット、ケータイ ・・・・
あふれる今日の室内余暇ネタの中で 音楽が占める割合というのはいかほどのものだろう? この不況の世の中で、どれだけ費やせるのだろう?
(日本レコード協会のアンケートより) ========================
【音楽が生活に必要なことですか?】・・・ほぼ昔から変わらず約8割。
【CDを買って音楽を楽しむということは生活に必要なことですか?】 01年/49% → 02年/39.9%
→10%減。少ない生活費の中で、音楽にお金をかけられる割合は減ってきている。
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そういう世の中なのである。
でも、ファンの音楽を聴きたいと思う気持ちは変わらない。 そこを、もっと業界はリアルに考えてほしい。
そういう世の中に対する音楽市場の対抗手段が、 CDーR複製であったり、中古市場の拡大であったりするのだと思う。
違法はいけない。著作権侵害もいけない。 それを正当化する意見をするつもりはない。
ただ、CDーR複製そのものや、その複製を扱う中古店を目の敵にする以外に もっと考えなきゃいけないことがあると思う。
(日本レコード協会のアンケートより) ========================
【欲しいCDが同じ店で新品と中古であった場合、どうしますか?】 新品を買う/35%、 中古を買う/15%、 価格によっては中古を買う/41%
→「中古を買う」が併せて56%。それより、 →「新品を買う」が35%であったことの方が驚き。新品という訴求力は確実にある。
【CDーRコピーを利用しはじめてから音楽CD購入については?】 減った/26%、 増えた/18% →「減った」の方が当然多いが、「増えた」が18%もある。決定的な差ではない。 →複製CDーRの流通が、プロモーション効果になっている側面もある。
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複製CD−Rを駆逐しようとする意識より(いけないとは云わない)、
そういう世の中だからそのような売上げなんだ、という意識をもってくれないと、
我々音楽ファンが困る。
もっと安価に音楽を提供する方法を考えて欲しい。
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そういえば、前述でAVEX担当が、
「アーティストへのリスペクトとはどういうことか、 アーティストへどうやってお金がまわっているのか、 これを機に考えてほしい。」
とか云っていたが、
アーティストをリスペクトしてCD購入している人々というのは、 今日の複製CDーR等の影響とは無縁ではないかと思う。
俺もそうだが、好きなアーティストのCDはやっぱ買うもん。
だから、 アーティストをリスペクトしている人々は、 昔も今も変わらず新品CDを購入しているわけで、 これが、核となる購入基本層なのである。
それに加えた 観賞欲のみで買う層が、市況や流行によって左右される流動層なのである。 今やこの、「流動層」が皆、新譜から複製CDーRや中古へ逃げていると思われ、
この人たちに、「アーティストをリスペクトするなら・・・」 と訴えても、そもそもリスペクトしていない流動層なので、 全く伝わらない無意味な訴えなのである。
昔と今の差し引き分、 つまり減った分の売上数というのは、つまり、
バブルだったんですよ。 AVEXさん。
CCCDにしたところで、 そのバブルは帰ってこないんですよ。 ってゆーかバブルだから。
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あと、AVEXさん、 「アーティストにどうやってお金がまわっているのか 考えてください」と云うのなら、
どのアーティストにどれだけのギャラを払い、 どれだけのプロモーション費用をかけてるのか? その額が他のレーベルの他のアーティストと比べて 比較してどうなのか? これを音楽ファンに明確に提示ください。
2年前ですかね?宇多田に同日発売のタイマンふっかけた時のあゆには、 プロモーションに幾らかけてたんですか?あの頃の感覚のままだったら、 それは現状の売上数はきついと思われ〜。
で、そもそも、
CCCDにして売上げは上がってますか?
昔から違法コピー等はカセット等で存在しており、 そういうウラ市場が実は、アーティストSP効果の下支えになっていることは 事実否定できないわけです。
僕は、 CCCDによって合一的に複製CDーRを厳しく取り締まれば、市場への浸透が弱まり、 特に新人がブレイクしにくくなるのではないかと思っている。大物は別にいいですよ、大物は。
AVEXは、売上減でそんなに大変ならば、 CCCDに精を出すよりも、身内でのお金の使い方を改めたほうが、 会社の利潤を考えるにはよいのではないか。
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一方、SMEの出した「レーベルゲートCD」は、 もっと研究していけば、理想形に近づけるのではなかろうか。
現状を否定し、単に蓋をしただけのようなCCCDを出したAVEXより、 現状を認識したうえで、現況で生き残る術を考えているSMEはまだよい。 生き残る術として、パソコンを受け入れようとしている点は、まさに正解であると思う。 (グループ的にPCとのつながりがある以上、PCを無視できないウラ事情も否めないが・・・)
レーベルゲートCDの今後に期待をしたいと思うが、
いずれにしても、SMEもそうだし、他レーベル会社にいえることは、
昔よき日のことは忘れて、 今の売上げでしっかり 利益を出すことを考えましょう。
どこの業界も皆そうなのです・・・。
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社団法人 日本レコード協会(RIAJ)ホームページ
文中で使わせていただいたアンケート。
社団法人 日本レコード協会 「音楽メディアユーザー実態調査」
社団法人 日本レコード協会 「音楽コンテンツ個人録音及びそれに関わるCD-R等の利用実態調査」
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