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2004年12月25日(土) 白い花、黒い根。




光あるところに陰あり。白く清純で 案外ガーデニングで有名になっちゃった
新しめの花、クリスマスローズの隠された秘密のお話。
この花、昔は日本じゃそんなにメジャーじゃなかった。25年ほど前になるが
苗を探した事がある(まだ子供と言ってよい年齢だったが。いや本当に)。
苗をあげたい人が居たからだ。その人は多分、少女漫画で初めてこの花の名を
使ったタイトルの漫画を描いた人だった。
ところが花屋さんも知らないと言う、そんな花 見た事も無いと。

当時もこの植物、全く無いではなかった。だが、今では一般的に白いニゲル種が
クリスマスローズと呼ばれているが、ヨーロッパに古くからあると言うこの種が
人気になったのは随分後、その頃はオリエンタリスと言う 現在は園芸品種で様々
な色物を輩出する元となった赤い花が主に出回っていた。しかもほんの僅か。
ギボウシなどは戦前から古き良き日本家屋の便所隠しに使われている。それと
比べると原産国の違いもあろうがクリスマスローズは後から来て一躍人気者になった。
実はこの花、猛毒を持っている。

白いクリスマスローズは学名ヘレボルス・ニゲルと言う。ニゲルはあの蔑称の
ニガーの事だ。要するに黒いと言う事である。この花のどこが黒いと言うのだろう?
実は根が真っ黒なんだそうである。
先に書いたオリエンタリスも学名はヘレボルス・オリエンタリスと言う。
ではこのヘレボルスと言うのはどう言う意味か。これは、「食べると死にます」
と言う意味なんだそうだ。
クリスマスローズはローズと名は付くがキンポウゲ科だ。バラには全く似ていない。
福寿草の仲間なんである。クリスマスローズの後は福寿草。目出度いコンボだ。
だが双方とも猛毒を持っている。
福寿草は心臓毒、クリスマスローズは炎症と嘔吐と心臓の毒。どちらも毒は
に含まれる。毒はしばしば薬にもなる。なるけれど結局素人の扱える代物ではない。

美しいこの花は寒い窓辺に置いておくと半月以上はそのままだ。花屋の店先で
見かけたら置き場所によっては買っておくとリーズナブルである。
北海道では4月に咲く。確かに庭の花では一番早いんだけどちょっと惜しいかも。

植物には通称にしばしばイヌと付く物がある。イヌサフラン、イヌホウズキ
大抵は毒草である。ここでイヌと言うのは全くつまらない物を指すと言う。
犬好きの人が聞いたら怒りそうである。
ちなみにポインセチア、これまた毒草である。白い汁が皮膚につくと炎症を起こす。
食べて死んだ例もあるらしいので気を付けよう。園芸種は野生種に比べて毒性も
低いとは思うんだけど、そこら辺はちょっと良く判らない。
クリスマスの花屋の店先を華やかに、時に清純に彩るのは実は毒草ばっかり
だったりするのだ。

初めに書いた苗を探す話ですが、結局隣の市でオリエンタリスの苗をゲット。
室内に置いたら3日で枯れてしまいましたとさ。暑いのは苦手です。






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