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思っていることを言葉にするのは、難しい。
頭の中にある事を手のひらに包み、話したい相手の前で 「ほら」 と差し出してみる。
思ったことを思ったまま言葉にするのは、危険な時もある。
頭の中にある事を手のひらに包み、相手の前に 「ほら」 と広げると、言葉が爆発したりする。
心の中で考えたことは、いわば調理前の素材だ。 そのまま提供してどうする? 丁寧に切ったり、煮たり焼いたり蒸したりして、お皿に盛って 「はいどうぞ」と差し出すのだよ。 それが、思いやりってものだ。
ヤツは言う。 「ワシは、思ったことを言ったまでだ」
そう言ったことで相手がどう思うか、おかまいなしだ。
「どうしてそんな事を言うかな〜」と責められても、 「思ったから言ったまでだ。なんで怒る?ワシなら怒らへん」
夕食時、一家団欒。 夫は、人の顔を見て笑う。 「お前〜、目がたれてるぞ〜。タレ目やな〜」
そして、顔マネ。 「ほら、こんな顔をした時に、めっちゃ目がたれてた」
バカバカ。 人の顔面チェックは止めろっ。(ー_ーメ)
怒りつつ、まぁいいか…と気持ちを入れ替え食事を続けた。 しかし、話せば話すほど、夫の言い方が気に障る。
なんでそんなイヤミな言い方しかできないかな〜? 「お前、古い言葉使うな〜。今時そんなん言わへんぞ〜」
アホアホ。 私の頬はこわばり、ピクピクしてきた。
早く寝ろ〜と、念力。 念力が通じて、食後すぐに夫はソファでおねんねだ。
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