タダの日記<お父さんの日常生活>
タダ



 ツールド多摩湖

「今日、走るよ」
「どこへ行く?」
「多摩湖・・」
「冬シーズン始まったばかりであの坂はきついね・・」
「おにぎり用のご飯も炊いてるし、早く自転車の支度をして頂戴」

みそ汁用の携帯ストーブも見つかった。早く行こうよ。何よそのダルマさんみたいな格好は!そんなに着込まなくても走れば暖かくなるよ。

風は冷たいけれど良い天気。多摩自転車道は歩行者がいっぱい。ボールを持った子供が飛び出した。ヒョ!危ねぇ。急ブレーキ。「危ないじゃないの気をつけなさい」とその子の母親。こんなところで遊ばせるアンタが悪い!
暫く走ると自転車で犬の散歩をしているおばさま、犬に引っ張られヨロヨロと道の真ん中へ。そのすぐ後ろにいたお母さん、急ブレーキ!そのすぐ後ろにいたお父さんあわや追突。ぶつけたら車輪が曲がる。曲がったら多摩湖へ行けない。多摩湖へ行けなかったらおにぎり食えない。それでとっさに後ろにひっくり返った。道ばたの植え込みに背中からつっこんだ。植木は折れたけど背中も無事、自転車も無事。おにぎり食える。当の犬がおいらの顔見て吠えついた。何でぇ?

暫くサボっていたので、ヤッパ急坂はきついなぁ。心臓パコパコ、息ゼェゼェ。後ろを振り向くとかあちゃんが来ない。きっと歩いてるんだな?ウッシシお先にね。
ヤッパ心配だ・・・・ちょいと休憩・・・来た来た・・・・顔を真っ赤にしたダルマさん・・・なんだ坂こんな坂ほいさっさ・・・「大丈夫か?」先に行けと言う無言の合図。かあちゃん、最近本当に丸くなったね・・・・

おや?オバサンが傘をさして坂道を歩いてくる。去年もこのあたりで変なオバサンを見かけたな。自転車乗りながらおかしなダンスして我々を抜いていったね。母さんよヤッパここは妖怪通りだな!そういう我々も妖怪よ。

いつもの公園に無事到着。かあちゃん、最後の急坂でお父さんを抜いて行く。ウッソ!にんじんをぶら下げた馬みてぇだ。昼飯だ、ひるめしだ、ストーブでお湯を沸かしてみそ汁作っておにぎりをパク付く。旨いね!来て良かったね!サケって書いてあるおにぎりは鮭ですからねぇ、酒ではありませんよ。分かってますよそんなこと。
一匹の犬が側に来て、かあちゃんの食べる姿を首をかしげて見つめてる。絶対にやらねぇぞ・・そんな目つきのかあちゃん。ゆでたてのソーセージが気になるお父さん。
「けちん坊」そんな目つきで腰をフリフリ犬は遠ざかる。未練がましくちらりと振り向いた。「やらねぇよ」「けちん坊!」

「このあたりかな?おいらがひっくり返ったのは?」
「そうね、植木は無事なようね」と赤いダルマさん。



2005年01月09日(日)
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