タダの日記<お父さんの日常生活>
タダ



 銀座のお姉様

金曜日の夜、久しぶりの銀座デート。
と言っても行く店はいつも同じ、S屋さん(このサイトは検索エンジンに無抵抗なのであえて頭文字)
暖簾をくぐって引き戸をガラガラ。入ってみると中は満員。先に着いたおいらは店の中をキョロキョロ。平均年齢60歳代のお店のお姉様方は完全においらを無視。
「おはよ、どこか座るところ無い?二人なんだケンド・・・」
メガネのお姉様「そこら辺に座って」
そこら辺を見るとやっと一人が入れそうなスペース。向かいのもう一つの席も同じような案配。おまけに隣に座っているサラリーマンの荷物がどっさり。遠慮しながらやっと座る。
とりあえずメガネのお姉さんおしぼりを持ってくる。「燗酒ください」
お姉様は無言。
徳利を持ってくるなりつまみの注文も聞かずすたこらさっさ。

この店は注文のタイミングがとても難しい。お姉様方が何か用事をしているときは「すみません」と言っても完全に無視される。「ちょっと待ってね」と言われる客はご機嫌のお姉様に出会った超幸運の持ち主。大きな声で「酒ちょうだい」なんて言っても聞こえないふり。だから何もしていない彼女たちに何気なく手を挙げて合図するか、側を通ったとき小声で「手が空いたらちょっと寄ってください」と言うか、お姉様方が機嫌良くテーブルまで来てくれるのを気長に待つ以外は注文は出来ないのだ。それを知らないで怒って帰ってしまった客をおいらはたくさん見ている。

かあちゃんが後から到着。未だご用聞きが来ない。というか、タイミングをゲットできない。しばらく手持ちぶさた。
おいらたちのお気に入りの優しいおかっぱお姉様が側を通る。「注文したいのですが・・」
「あら今日は三人じゃないの?狭いけど座れたね。未だ注文聞きに来ないの?ちょっと待ってててね。今日の係はあの人だから・・」とメガネのお姉さんを指す。
「この店に係なんてあったっけ?それとも縄張り争いかな?以前にメガネのお姉様を嫌いだって内緒話をしたのが聞こえたのかな?」
未だ来ないよ・・メガネお姉様!
「あらイヤだ、未だ来ないの?困った人ね。私が代わりに聞いてあげるよ」
「牡蠣酢、焼きホッキとあれもこれもください」
「牡蠣酢は終わりました。白子がおいしいよ」
「ソンジャ白子と燗酒一本イヤ二本ください」
「一本にしなさい。さめてしまうから。二本目は後でわ・た・しが持ってきてあげますよ」
ヲッフォッフォ優しいお姉様。
「白子おいしかったですよ。お姉様のお薦めはいつも最高!」事実最高の白子。あまり好みでないかあちゃんも「これは旨い!」
お姉様は笑顔イッパイ。ヲッフォッフォ「それはそれは良かったわぁ」
さていい気持ちになったからそろそろお開きにしましょうか。メガネのお姉様へ、お勘定!「はいよ、うん千ウン百円、、はいおつり」おいらは心の中で「ありがとうは言わないの?お世辞でも必要な一言よ!プリプリ」

メガネのお姉様が超ご機嫌なときが一度だけあっタンよ。それは遅い時間、珍しく店ががらがらの時。
おいらの背中に向かって「ありがとうございました」
(あぁこれで今日は早く帰れる)っておいらには聞こえたケンド。




2004年12月06日(月)
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