初めて降り立ったその駅。ホームで、雨のにおいを感じた。 改札を出ると、思った通り、雨が降っている。 時折、雷の音。 駅に向かってくる人も階段を降りてくる人も、 ほとんどが傘を持っていない。 濡れた厚めのジャケットが、光る。
地図に記された、たった一つの目印はすぐ見つかったけれど その先の道がわからない。どっちだろう? まだ時間はある。そう思って歩き回っていたが、一向に見つからず 気づけば約束の時間ギリギリになっていた。
さすがに焦り始め、先方に電話で道案内を頼もうかと思った瞬間。 目的地発見。ほっと一息。
雷は止んで、何となく和やかな雰囲気で面接を受けた。
新しい生活が始まる。
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