昨日まで降り続いていた雨は、いつの間にか上がっていた。 …空は明るく澄んでいるのに、何となく憂鬱な気分のまま部屋を出る。
別れが近付いている。
出会ってから、早いもので3年半もの月日が過ぎた。 正直、その当時のことはほとんど記憶に残っていないが、少しずつ、 でも確実に、彼の存在は大きくなっていったのだ。みんなの中で。
働かないし、口も悪いし失礼なのに、みんなに慕われていたのは 彼の人柄が良かったからに他ならない。 ものすごく腹が立っていても、あの笑顔を見たら「仕方ないか」と許してしまう。 私も彼が好きだった、バイトの1人。
数日前、彼への手紙を宛てた時に涙は流してしまったから この日は涙は流れなかった。 代わりに、たくさんの笑顔で彼を見送った。
…写真の中の笑顔は永遠だね。
例え、それぞれ別の場所へ向かうことになっても。
たくさんの思い出を。たくさんの優しさを。 ありがとう。決して、忘れないよ。
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