今朝、空が光ったと思ったらゴロゴロ雷が鳴り出した。 男らしく正直に言うが、ボクは雷が大嫌いである。 雷の音が鳴り出すと、足がガタガタ震えはじめてしまうのだ。
ゴロゴロ雷が鳴り出したらすぐにアキコがタオルを持って庭に出て来た。 ボクにほっかむりをさせるためである。 「オニに金棒、ボクにほっかむり」というイニシエからのコトワザにあ る通り、ほっかむりをしたボクは千犬力である。 ほっかむりをしてしまうと耳が畳まれて音があまり聞こえなくなるので、 雷もあまり怖くなくなるのだ。
千犬力になったボクはとても余裕が出たので、雷を確かめるフリをしな がら、アキコがビスケットを取り出すかどうかを横目でチェックした。 ちょうど横目で見ているボクを写真に撮ったアキコが「流し目だ、色っ ぽい」と言ってボクをからかった。
確かにこの写真のボクは何だか色っぽい流し目なのだ。 男らしい犬としてちょっと恥ずかしいけれど、これならカブキのタマサ ブロウにも負けない女形になれるかもしれないのだ。
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