ボクの庭には1畳の大きさの板でできたボクのベッドがあったのだが、 このベッドがボロになったので取り外されてしまった。 ボクが乗るだけならまだ大丈夫だったのだが、アキコが上に乗って真っ 二つに割ってしまってからさらにロウキュウカがすすんでいたのだ。
ベッドを取り外したら、ベッドの下の地面には何も生えていなかった。 土は湿っていて、ミミズが何匹も出てきたし、なくしたと思っていた ボクのオモチャもいくつか出てきた。 ベッドを取り外した後も、ベッドのまわりに生えていた草がベッドの 形に残っている。
ボクが山を下りてジタクに引っ越して来てからずっとここにあったも のがなくなるというのは何だか不思議な感覚である。 ベッドの下の地面はボクが知り尽くしたボクの庭にあったのに、ボク がまだ踏んだことのない場所だったのだ。 ご近所に住んでいながらまだ一度も会ったことがない人と突然顔を合 わせた時のようで少し居心地が悪かったが、早く親しくなるためにボ クはこのベッド跡地でたくさんの時間を過ごしてみることにしよう。
|