ゲンゾー君の庭で楽しく暮らしていた吾輩だが、いよいよ今日はこことも お別れだ。今日、吾輩は自分の家に帰る。
コンクリートの上で暮らしていた吾輩にとって、土の上で暮らしたこの 10日間はとても楽しかった。 草がボウボウに生えた庭で草の上に寝る感触も楽しむことができたし、川 や草のニオイがする土の道を朝夕楽しく散歩することもできた。 散歩道はなかなか楽しくて毎日はりきって散歩をしたので、吾輩はここに 来た時よりも少しスリムになったのだよ。
でも吾輩はやはり今まで暮らしていた土地の方が落ち着くので、ここはゲ ンゾー君にお返しする。 ゲンゾー君には苦労をかけた。 またいつかここをお借りすることもあるかもしれないが、その時はぜひ会 って牛乳で乾杯しよう。
そうそう、ここにいる間、吾輩は誰のことも噛まずに終わったよ。 「写真を撮られる時はカメラ目線」もできるようになったしの。 そうだ、日記を3回書いたこともよい思い出だ。 さらば、ゲンゾー君。 でも、ゲンゾー君が挨拶に来なかったことは忘れてないぞ。
ゲンゾー「センパイ、これはカメラ目線ではなく『ビスケット目線』でご ざるよ。挨拶に伺わなかったことはまことにかたじけない。 でも明日はいよいよボクもボクの庭に帰ることができるのだ!」
|