声優さんと映画とアニメと
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2008年11月03日(月) |
プロの実力、そしてプロが目指す先の先 |
写真家のハービー山口さんのエッセイCD ハービー・山口 エッセイ集 LOVE&VOICE 1 語り森川智之を聴きました。 StudioWarpというところから出ています このCDは通販予約だけの特典として山口さんと森川さんの対談CD(約30分がっつりしゃべってます)がついてきます。この特典CD対談がこれまたかなり良かったです。
朗読CDの方(全6章約70分) 朗読で思い出すのは、宮沢賢治の注文の多い料理店での森川さんですが、この山口さんのエッセイCDはそれよりもっと長くて、約70分フルで森川さんの朗読が入っています。
エッセイと言っても、これは聞いた感じでは、山口さんの回顧録のような、ご自身の半生を振り返ったものです。小さいときの大病の影響でさまざな苦悩を体験し、コンプレックスで悩んだり苦しんだりした学校生活。そんな山口さんの見出した人生の希望や苦悩から脱出できたターニングポイントなどなど、ご自分の生い立ちと、その時々に起きたさまざまな思い出や人間関係そして、そのときどきの素直な自分の気持ち、さらには、プロのカメラマンになったきっかけや心に残ったエピソードなど、カメラマンハービー山口がどうやって形作られ、どんな思いを抱いてシャッターを切っているか、などがじっくりと語られて居ます。 この内容が、これまたかなり惹きこまれるものでした。 山口さんの書く文章が、ストレートで魅力的です。
これを聴いて、森川さんの実力にちょっと脱帽。 たぶん、森川さんも内容に感心してノリノリで読んだのではないかと、思えるできばえです。 どのぐらいの時間で収録したのか判りませんが、最長20分ほどの長丁場でも、ほとんど編集していないのではないかと思います。 全部の章で、変わり目がわからないほどに、全編通して、ほとんど声の高さや抑揚、そして読むリズムが非常に安定した、穏やかな小春日和の内海の様です。 声音は、森川さんの一番出しやすいトーンなのか、地声に近い高さ、響きも良くて、どこまでも柔らかく、リズムがゆったりとしたアンダンテでありながらも、切れの良い発声で、言葉のひとつひとつは、メリハリのある抑揚で、非常に聞き取りやすく、しかも心地よいのに感動。 ストレートな朗読でありながらも、時に切なく悲しく、時に優しく希望に満ちている・・・感情のこめかたが自然。本当に耳に優しいここち良い艶声。 再生ヴォリュームをかなり小さくしても、はっきりと喋っている内容が聞き取れる恐るべき滑舌を披露しています。惜しむらくは、長丁場ゆえに、途中やや鼻声気味になる部分が・・・まあ、これはもはや森川さんのお約束かも、その鼻声度も、まあ、じっと聞き耳たてなければ気が付かないレベルかと思います(笑)。
最後の章は、なんだかじーんとしてしまいました。これの中の1〜2分を森川さんの音声サンプルに使えばいいんじゃないかなぁ、なんて思ってしまいました。
このCDは(1)ということで、(2)も発売予告が出ました。 こっちも森川さんなのかと思ったら(2)は森久保さんでした。 ちょっと残念なような、森久保さんのも聞いてみたいような、というか純粋にこのエッセイそのものの続きを聞きたいなと思っています。この続きのCDも買いたいなと思います。
通販予約特典の対談CD これがまた、びっくりするぐらいファンにはお勧めの内容です。 まず、第一声を出したとき、スタッフの方から、彼らもびっくりするぐらいに山口さんご本人と森川さんの声が似ている、と言われたとのこと。対談で聴く限り、確かに雰囲気は似ている感じがしますが、まあ、聴いていて紛らわしいというほど似ているわけではないです。 山口さん、森川さんの朗読をブースで聞いて泣いたとのこと。自分で書いた文章なのに、森川さんのプロの語りに聴き入ってしまい、感動して泣いてしまったそうです。 森川さんもびっくりしてしまったそうです。 その山口さん、年齢的には森川さんよりずっと上で、しかも話上手聞き上手、なんと森川さんの声優になるいきさつや仕事へのアプローチなど、え、そっちへ向かうの?という感じで、山口さんが純粋に森川さんに興味を持ってしまって、本人に聞きたくなった質問をしています。森川さんも、山口さんの半生を朗読した後のせいか、とても打ち解けた感じで、先輩に語るようにとつとつと自分の声優になるいきさつを語っています。基本的にはファンなら聞き知っている内容で、そこに目新しい部分はないのですが、その話をイントロにして、声優として生き残るために自分が努力した部分や自分の声をどう思っているのか、今後どうしたいのかをさりげなくズバッと聞いてくれていて、森川さんも非常に自然に構えることなく、率直に語って居ます。 これを聴いて、森川さんの演技に対する姿勢や今彼が持っている悩みみたいなものがわかりました。 森川さんが目指すもの、誰にも助けられないし導けない、自分の力で到達しなければならない、彼が目指している次の階段のステップの高さや難しさを思い、思わず一緒にどうやって其処へ上ったらいいのかを考えてあげたくなりました。本当にこの人がどうして現状に満足していないのか、どんなレベルを目指しているのかが、すこしだけ理解できた気がします。
そんなこんなで、熱心なファンとしては本編特典両方とも感動する企画でした。 森川さんが自分でもカメラを買ったり、携帯写真もせっせと撮るようになったのには、山口さんのエッセイを読んだのも影響しているのではないかと、改めて思い至りました。
たくさんのWeb拍手をありがとうございます。 昨日のSSDS報告へのご感想もいただきました。ありがとうございます。励みになります。 詳細ではなくメモレベルでスミマセンでした。イベントはDVDになります。私はちゃっかり会場で予約してきました。
>フラッシュゴードンといえば・・・ドンドンドン Queenのテーマソングですね。あれが脳裏に焼きついているのは私も同じです、文字をみただけであのコーラス部分が鳴ります(笑)今度の作品の曲はどうでしょう・・・
今週は魍魎とキャシャーンでも森川さんが注目ですね。
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