声優さんと映画とアニメと
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2005年07月04日(月) |
また森川さんに泣かされた |
あした元気になーれ!〜半分のさつまいも〜
上映館も少なく、上映期間も非常にみじかく、うっかりすると見逃す。 上戸彩が主人公のかよ子をアテていて、想像よりは上手かった。 かよ子の兄役でうえだゆうじ、そして見守る兄貴分に山口勝平 孤児になってからのかよ子を世話するいじわる叔母役で雨蘭咲木子 その他小杉十郎太が2〜3役、陶山章央とか、知った名前が出てくる。 勿論この映画を無理に観に行った最大の目的は、復員兵役の森川智之。
東京大空襲で3番目の兄以外の全ての肉親を失ったかよ子が、小さいながらも心は深く傷つき、それでも必死に生き延びようと努力する。そして彼女が如何にして戦後を生き延びて行くかをのきかっけを描いた作品。
全体をとおして、子供の視点でみた戦中戦後の日本、東京と疎開先が出てくる。 戦後の闇市での戦災孤児達の必死の姿などは、すこしばかり綺麗に描かれすぎで、けっして本当の惨さはアニメ画像からは伝わらなかったような気がするのが残念だ、それにやたらに子供達が明るかったことか・・・ 以下ネタばれ それでも、最後に深く深く傷ついて生きる気力を失いかけた時、かよ子が出会うのがシベリアから復員してきた男(森川智之)である。出番はラストのほんの5分ほどだが、それまでの全てのお芝居の悲しい部分の印象を持って行った。 かよ子が絶望しているのと同じぐらい、いやそれ以上に絶望していた帰還兵、どんな必死な思いで、死線をかいくぐって帰って来たことか、そして焼け野原で彼が見たのは、誰も待つ者の居ないがれきの山。 同じく、帰る場所を失い途方に暮れて、死んだ母親の後を追うことが脳裡をよぎり、がれきの中で雪に埋もれつつ放心していたかよ子。復員兵はそっと優しく手をさしのべ、持っていた蒸かしたさつまいもをかよ子に食べろと手渡した。かよ子は、復員兵に半分を分け返す。そして二人は悲しみと絶望をしばし共有し時を過ごす。やがて「絶対にあきらめては行けない」と言うかよ子。この言葉に復員兵もかよ子自身も励まされ、再び明日を生きる気力を取り戻す・・・そしてエンディングとエンドロール
森川さんの演技は、はじめとてもとても柔らかく包み込むような優しい響きのトーンで「どうしたんだい」から始まって、徐々に身の上を語りだすときの絶望と悲しみがゆらめく響きと嗚咽を含んで劇場一杯に反射した。涙とともに聴く者の胸に迫ってくる。ハイライトシーン。2〜3分のシーンなのだが、映画サブタイトル「半分のさつまいも」意味がここに込められている。
森川さん、最近のあなたは凄すぎです、あなたのこの泣きの演技で、思わず私も号泣してしまいました・・・画面が曇って、しばらく何も見えないぐらいに・・・
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