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2005年06月16日(木) 両極の吹き替え外画

アイズ・ワイド・シャット(R−18指定)
最近廉価版が出ていて、すごく手に入りやすいし、吹き替え入りはセルオンリーらしいので、この機会に森川吹き替えの最高峰の1本を是非あなたのコレクションにお加え下さい(誰に向かってセールスしてるんだぁ)。
そう、セールスマンでもなんでもしたくなるぐらい、絶品のトム・クルーズ森川が聴ける作品。とにかく絶妙な声の高さ(たぶん、森川さんにとっては一番自然な音域だと思うし、この作品のトムにはもの凄く合っている)絶品で絶妙のセリフ回し、一言一言にうっとり出来る。後半は焦ったり苦悩したり、いろいろなお芝居が聴ける。共演者もしかりだ。私の知る限り、これほど声優さんたちの絶品のお芝居が聴ける吹き替え作品は他にはないと思う。
この作品は2001年吹き替え、森川さんは丁度この頃以降から、トムやキアヌやブラピなどの一級ハリウッド二枚目スターの配役が頻繁に回ってくるようになった。彼のキャリアでもきわめて重要な時期である。第1期黄金期だと私は思っている。

ストーリィだが、地位も学歴もある若きセレブな医者のトムは絶品の美人妻ニコールと娘との幸せな家庭を持っている。ところがあるパーティがきっかけでニコールから自分の女性に対する考え方が間違っている事を指摘され、そのとき聞かされた妻の精神的な浮気の妄想世界に初めて激しい嫉妬と混乱の気分を味わう。それがきっかけとなって、彼はすこし精神の安定を欠き危険な世界への好奇な刺激に魅せられてゆく。偶然から秘密クラブ(ここがスピグラの元ネタ)の存在を知り、怖い物見たさの好奇心からとんでもない世界に首をつっこんでしまう。そしてやがて追いつめられてゆく。
とにかく、この作品の前半のハイライトは夫婦でマリファナをやりながラリッテいちゃいちゃ始め、やがてけんかになる長いシーン。
ニコールの妖しい美しさと色気が画面一杯に充満しているし、当時リアル夫のトムの自然なリアクションもすばらしい。何より吹き替えの二人だ、吹き替えを観ているのを忘れるぐらいに嵌り込んでいる。森川トムが耳元で囁く声の色っぽさは、数あるBLCDの囁きシーンよりもさらに数段色っぽい。というか、全シーン通して、こんなに色っぽい森川声は他ではちょっと聴けない。

この作品、18禁シーンをカットしてTVでオンエアーすれば、森川さんの実力をもっともっと広くいろいろな人に評価してもらえるのになと思う、セルDVDオンリーで18禁の現状がちょっと残念。

ところで、なぜコレを今観てるかというと、昨日のアニメディアの直筆アンケートにお気に入りの映画欄に森川さんがこの作品を挙げていたこと、過去のアンケートでも絶対に挙げていること、自己紹介などで必ず代表作に入れていること、すなわち森川さんにとっても、よほど自信があって記憶に残り記念になる作品なのだと思う。ニコール役の佐々木優子さんの色っぽさには、女の私でもめろめろになりそうなほどの色っぽさだし、よこからちょっかいを出すダンディなおじさまを小川真司さん(グレッグのパパ)が、これまた超格好いいダンディで色っぽいおじさま。これ18禁なのがちょっともったいない。若いファンは大人になったらすぐ観てください(笑)昨年購入して、数回観たが、今回数ヶ月ぶりに観て、最初に観た印象が変わっていないことを確認。

しかし、どうして吹き替えキャストを箱に書かないのでしょうか?

原始のマン
バックにかかる音楽は、デフレパードにクィーン(しかもヘビーな初期ばっかり)にサウンドガーデンに・・・メタルばっかり。主演はショーン・アスティン(広中雅志)、ポーリィ・ショア(塩谷翼)の馬鹿高校生コンビ、氷河から復活した原始人のブレンダン・フレーザーが森川智之(太めの野蛮声)美人のあこがれマドンナ役に玉川紗巳子、恋敵役に平田広明と結構豪華。
ブレンダンのめちゃくちゃキュートなお尻ににやけちゃう(うぉーおばさん丸出しや)出だし、めちゃくちゃ若くてハンサムで、しかも原始人なのでボディアクションの嵐、表情豊かで、美しい目がくるくる。声の森川さんは、おかげであんまりセリフないです、「ぉわっ」とか「どぉお」とか「ぎゃー」は沢山聴けますが、基本的に言葉は片言、もう、途中から、まぁいいやって感じになって見てました(笑)。塩谷さん塩屋さんじゃなかったっけ、でも同じ人だと思う、主役デビューは海のトリトンでガッチャマンの甚平でイデオンのコスモだ、甚平は役の途中で声変わりするというたぐいまれなキャストで鮮明に記憶にある。一時期声ががらがらででんぐり返っても、役を降ろさず使い続けた監督さんも凄いが、演じ続けた塩谷さんもさすがだ、甚平の役年齢とも一致していて、まあこれも有りだったに違いない。昔の塩谷さんのポジションは現在山口勝平さんが頂いてしまったという感じかな・・・音響監督さんではお名前拝見しますね。そうだな・・・うる星で一世を風靡した千葉繁さんも、そして塩谷さんも、水島裕さんも、鈴置さんや井上さんまで、最近は音響監督さんになっていらして、声優さんのお仕事はめったにやらなくなっている方が多いですね。私の子供時代のヒーロー達です(これで、どんなに隠しても年が大バレですね、爆笑)
おっと横道にそれた、塩谷さんの吹き替えって初体験、上手いね、おばか高校生を自然に無理なくやってます。広中さん(って外画でたまにお名前みるけど、今はおじさんが多くなかったですか?)がアテているショーン・アスティン(指輪のサム役でついにブレーク、そう彼だ、今日観てびっくりした)は若き日のジョー・ブラックにも似ているかわいらしい感じ。こんな声出していた時代もあったんですね・・・笑
森川さんは、はっきり言って、これじゃ演技力もさっぱり判りません。
それより、意地悪ハンサムボーイ役の平田さん、これまた高校生役で声も若い、いや・・・この間アルジャーノン見てきたばかりですから、高校生声に、ついにやけてしまった。そんなわけで、時間つぶし見たいな映画ですがそれなりに楽しめます。1993年の吹きかえみたいなので、森川さんにとって初ブレンダンだったのかな?その後沢山ブレンダン吹き替えているけど、どれもブレンダンの森川さんは低めの張りのある声が基本、そんなわけで、トムの吹き替とは対極の漢な男の張りのある声と男前なセリフ回しが聴けるし、ギャグ作品ではへにゃへにゃ声も聴ける。(この原始のマンではなくて、ハムナプトラとか他のブレンダンの作品ですが・・・)

あと、アダムサンドラー吹き替える時は、また別の面白い声の出し方の森川さんに会える。


まいける2004 |簡易メールシルバーナの船室(コラム)

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