よく出来たCMだなと思う。
調理師専門学校の大和学園のCMだが、
夢を与える魔法を学ぼう。
と歌っている。
カッコいぃじゃあないか。
しかし客に夢を与える魔法は掛けられても、自分に夢を叶えられる魔法が掛かるかどうかはまた話しが違う。
自分が幸せである事は、理屈抜きに他人をも幸せにする。
魔法が魔法たる所以は、方程式として、確立されているところにある。
僕は高校を卒業してから、料理人を志し、辻調理師専門学校で二年を過ごした。
夢とかなんとか、そんな高尚なシロモノではなく、単純に手に職が欲しかっただけだ。
学校では技術は一通り習得出来るのだが、なにより毎日徹底した意識教育を施された。
サービス業とは底辺の職種であるべし。
上司の命令は死しても遂げるべし。
黒いモノも白。
軍隊の様なカリキュラムの中、まるで落ちこぼれで二年の学園生活のうち、半分にも出席が足りなかった僕もやがて調理師になった。
仲のよかった友達、仲間達もまた、日本全国の調理場、ホールへと散らばって行った。
皆勤賞を貰ったやつ、技術試験で満点だったやつ、学科で学年トップだったやつ、二年間放課後の課外授業まで欠かさずこなしていたやつ。 全部引っくるめて、五年後に現場に残ったのは僕と、もう一人の落ちこぼれだけだった。
薄給、長時間労働、過酷な人間関係。
そんな中で、僕は食べる為に選んだ職で、仕事を選べるようになっていった。
ドグマとの共存をするようになり、
今、改めて選択肢を与えられた。
職を全うするのか、ドグマを全うするのか。
迷わず職を捨てる事を告げた。
ちょうど去年、ドグマが1stの音源を、自主製作で発表した時から決めていた事だ。
迷いはない。
その選択肢を僕に投げざるを得なかった上司は、まる一日悩んだそうだ。
あまりにあっさりと答えを出してしまったが、そんな僕の為に悩んでくれた事がとても嬉しかったんだ。
そんな晴れ晴れした気持ちで、主催イベントとレコーディングに望める事がなにより嬉しい。
軋轢ばかりの世界で、毎日死にたいと思っていてもたった一日、生きててよかったなと思える日があればそれでいいと、故らも氏は言われた。
僕は、僕が幸せになる魔法を唱えている。
唱え続けている。
それを栄養にしてみんなが少しでも幸せになれば、なってくれればいい。
その結果、僕は枯れてもいいと思っている。
その理屈に矛盾も迷いもない。
それが、僕の信じる究極魔法だ。
タチのいいメガンテみたいなもんだが。
…、てか、3rd音源のタイトル考えてねーわ、えらいこっちゃ。
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