ひまわりさん観察日記
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| 2005年02月09日(水) |
ゲームだいすき(おひさまあとりえ) |
最近、こどもたちにこっそりお願いされることが多い。 それは、「最初に1枚だけだから、描かせて!」というもの。
ゲームやサンリオなどの、キャラクターの絵のことだ。
おひさまあとりえはこの時期、年に1度の展覧会を目前にして、『がんばっていろいろな絵を描こう』というムードでいっぱいだ。
黙ってみていると、キャラクターの絵ばかり描いてしまう子も、少なく無い。今の世の中、こどもたちがゲームに興味が向いてしまうのも仕方の無いことなのかもしれないし、かわいいもの、かっこいいものを、そっくりに描いてみたい、という『憧れ』もあるのかもしれないし、他に何を描いたら良いのかわからない、表現したいことが見当たらない、むずかしい、、、と、自分から考えたり思い巡らせたりすることを面倒がる子どもがあまりにも多いことには、愕然としてしまうことも、しばしば。
で、生活の中でのいろいろな出来事や思っていることなどから、絵にするテーマを掘り出してみることが、まず第一歩と思うのだが、普段キャラクターに依存しがちなこどもたちには、これはなかなかたいへんなことなのだ。
それで、「1枚だけ、描かせて」となるわけだ。 他の先生に言うと、許してもらえない・・・と思っている子が、明らかにそのような知恵を働かせて、私のところにそっと来て、小声でお願いするのだ(笑)。
そこで私も、最近みんながんばっていい絵を描いているし、1枚だけで気がすむならということで、「じゃ、準備運動にね」と了解している。
たとえばめぐみちゃん(小1)。 「お願い、今日学校で『ポムポムプリン』を上手に描く方法を発見したの、だから1枚だけ、描かせて!お願いだから!!」 で、描いた絵は、四ツ切の大きな画用紙いっぱいに、大きく描かれたプリンちゃん。鉛筆描きで、色も塗らずにただそれだけ。ものの5分。 これで気がすんで、その後はいつも敬遠してしまう絵の具を使ったりして、「ゲイジュツのえ」を楽しんでいました。
これがめぐみちゃんの『ゲイジュツの絵』。スキーをした時のことを、はじめは「人を描くのはいや」と抵抗していましたが、こんなに大きく描けました。青い模様は、芋版です。
あやとくん(小1)は、ポケモンカードをたくさん持ってきた。ゲーム機も持ってきている。もちろん、あとりえで遊ぶつもりではなく、その後の予定に合わせて持ってきたということだ。 でも、持っているとどうしても心が傾いてしまう。手から離れない。
「じゃあ、そのゲ−ムで遊んでいるところを描いてみれば?」とすすめると、「いいの?」と遠慮っぽく言う。
本当は持ってきてもテーブルに出してはいけないゲーム機を堂々と置いて、カタチを描く。遊んでいる手も描く。頭も描く。 「まわりがさみしいなあ・・・ピカチュウ描いてもいい?」ということで、ピカチュウやらなんやらもいくつか描く。
絵の具も塗って、ゲーム&キャラクターの絵なのに、『ゲイジュツの絵』になってきた。本人も大満足。
そんな絵をご機嫌で描きながら、あやとくんは語りだす。
「ぼくの大切なものはね、・・・」 1. お父さん、お母さん 2. 命 3. 家(家に詰まった思いでや、物や、お金なども含む) 4. 愛 5. ゲーム
・・・なのだそうだ。
「4番まではステキだけど、5番がゲームなの?『お絵描き』とか『勉強』とかが入って、ゲームは10番目くらいでいいんじゃない?」とわざと聞くと、「おえかきなんて、ありえないっ!」と断言する。となりで『カービイ』の油絵を描いているけいくん(小3)まで、一緒になって「ありえないよ!」とチャチャを入れる。
「どうしても5番がゲーム。6番も7番もゲーム。・・・お絵描きは10番目くらいかな」と言うあやとくん。
ゲーム依存も、時代の流れ。ここからまた新たな文化なり知識なりがうまれることもあるのでしょう。 それにしても、大好きなゲームでも(1.2.3. はともかく)愛にはかなわないところが、あやとくんらしくてちょっぴり微笑ましいです。
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