ひまわりさん観察日記
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2005年01月28日(金) 記憶の刷り込み(一ノ割教室)

工作も一段落し、みな思い思いに絵を描く。「なにをかこう〜?」というひまわりさんには、体育の授業の絵を勧める。縄跳びとか、ハンドベースボールとか。


「体育の授業よりも、郷土資料館に行ったことを描く」という、かほちゃん(小3)の絵。最後に自ら書き入れたお習字のような黒文字が、ピリリと効いています。


あとりえには『鉛筆削り機』が、ない。カッターナイフで削っている。

私がカッターで削っていると、それに興味を持つひまわりさんもいる。「なんでえんぴつけずり(機)でけずらないの?そのほうが楽だよ」「せんせい、持ってないの?」「買えないの?」なんて心配する子も(笑)。

そんな時、私はこんな説明をする。
「カッターで削ると、(芯の)先を尖らせたり太くしたり、長く削ったり、好きなように削れるから、絵を描くには便利だから。それに、慣れれば簡単なんだよ」

そして私が削るのをじいーっと見つめたりしているが、時々自分で「やってみたい」という子もいる。そういうひまわりさん(小学生以上)には、積極的に伝授することにしている。


今日、はじめは頼まれて私が削っていたら、絵に飽きだしたしょうちゃん(小2)は「ぼくもやりたい」と言い出した。

しょうちゃんはカッタ−ナイフ自体が初心者なので、まずは「(刃の)光って色が違うところが切れるところ。だから手も切れるよ。(反対の)ここは切れないところ」という説明からする。削る色鉛筆とカッタナイフの持ち方、カッターの動かし方など、手取り足取り。すぐに出来るようになる。

まあくん(小4)も食い付いてきた。意外にも鉛筆削りは経験なし。でも、カッターは日頃から使い慣れているので、飲み込みが早い。

みほちゃん(小3)は「前に教わった」というので黙って見ていたら、刃の切れる方に左手の親指を当てようとしたので、慌ててストップをかける。もう一度解説する。


3人ともなかなか上手。あとりえの鉛筆という鉛筆を削りまくる。ちょっぴりいびつな削り跡の鉛筆が、どんどん出来上がる。

真剣に削っている3人に聞いてもらおうと、私は前述の『なぜ削り機ではなく、カッターで削るといいか』を話す。ところが3人は真剣さのあまり、私の声は全く耳に入っていないようで、私が話している途中で、しょうちゃんが突然違う話題をまあくんと話したりしている。ううう、聞いてないな。

説明半ばで私は挫折感を味わうが、そこでふと気付く。そう、この3人がたとえ聞いていなくとも、すぐ隣で黙々と絵を描いているまりちゃん(小6)みくちゃん(小4)かほちゃん(小3)の耳には入っているかもしれない。折角話しているのに途中で止めることもなかろう。最後まで説明をする。


子供達って、私の言ったなんでもない言葉や単語を、心に留めていたり知識として記憶させていたりすることがあって、後になってびっくりさせられることがある。「聞いて無いから言わない」とか「こんなことは難しいから言う必要は無い」などという大人的判断は無用、むしろしてはいけないのだ。そしてもちろん無責任な会話も禁物だ。わからないことは調べる、「わからない」とはっきり言う、大人として大事なことだ。


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