胡桃の感想記
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2004年09月04日(土) 「吉例顔見世 第十一代目 市川海老蔵 襲名披露(夜の部)」御園座

友達に誘われての観劇。海老蔵さんはすごい人気で三等席最後列のサイドだったが、前列の頭などが全く邪魔にならず、よく観えた。

一.熊谷陣屋(1時間30分)
内容がよく分からず、登場人物も把握できず、舞台上で動きもほとんど無いからちょっと眠ってしまった(ダメじゃん!)。
だって2階席でずっと下をむいているし、途中から目が乾いてきて・・・(言い訳です)ついうとうと・・・と。

二.口上(25分)
これは皆さまが順に、新・海老蔵さんに祝いを述べるというもの。三番目の人がよく通る格好良い声をしていたのだが・・・名前も顔も思い出せない(涙)。
大体が普通に述べるのに2〜3人位「公私共に話題に欠かない」みたいな事を言って笑いを誘っていた。確かにTVの襲名インタビューでも、女優とのこと言われていたな。
そして、海老蔵さん挨拶後“にらみ”を披露。
“にらみ”って?!と思いオペラグラスを覗くと、想像どおりの“にらみ”だった。なんだ、そのままなのね。

三.助六(2時間)
幕間にパンフレットで粗筋を読んでおいた。歌舞伎の十八番。
ただ開始40分は助六(海老蔵さん)は登場せず、その恋人・揚巻(尾上菊之助さん)の話。
Studio Life「DRACULA」を思い出しちゃったよ。タイトルロールが30分以上登場しないなんて反則だ〜って思ったけど、古典の、しかも歌舞伎十八番でもそういう演目はあるのだ。ごめんなさい、無知でした。この発見があっただけでも、この観劇は実になったなぁ(単純〜)。
この作品、十八番の古典でも笑えるところもちゃんとある。
助六の兄・白酒売の新兵衛(松緑さん)なんて存在そのものが“笑”だし、通人里暁(松助さん)なんて、ギャグ万歳だし。
通行人に力を見せつける助六のシーンで、眼力で負けた通行人が股をくぐるというシーンで、「普通にやると芸がないから・・・オリンピックの水泳・平泳ぎで」と腹ばいになって平泳ぎで進むと、黒子が日の丸振って、くぐり終わると即、懐から金メダル!!すぐ片づけたけど。
次に虎の意を借りた新兵衛からもやれといわれると、しぶしぶながら・・・「(助六さして)100Mと(新兵衛さして)200Mか!」このテンポが凄く良くて客席は笑いと拍手。
すると突然“冬のソナタ”の音楽が流れてきて、マフラーとメガネをして新兵衛にブルガリ香水かけて「ヨン様スマイル〜」と言いながらくぐり、「もう暑いのにぃ」とさっさとマフラーとメガネを外し「喉が乾いちゃった。おーいお茶」で伊藤園のお茶を飲んで退場。
すごくベタなのに、楽しかった。
助六は結構自分勝手なのに、面白くて、しかも凛々しくて格好良い。海老蔵さんは時々、声が割れて聞きづらいときもあったけど、格好良かったからいいや(笑)。
揚巻は強い女性ですてき。菊之助さんって割とぽやっとした顔立ちなのに女形やると凄く美人さん。声も聞き易いし。帯に凄くリアルな海老がついていた・・・。

歌舞伎は3回目だけど、今回初めて「成田屋!!」とか叫ぶ人たちの潜伏姿を見ることが出来た。偶然、私の前が成田屋はっぴを着た本日多分一番高齢だと思われる男性だったのだ。杖をついて歩くときは少し危ない感じだったけど、声にハリがあってさすがだな〜って感心。ただ、助六は掛け声が減ってきて、途中で早退されてしまった・・・残念。
でも年を重ねても、好きな事ができるっていいなぁ。
ちなみに幕間で同じはっぴを着た人たちを見かけたので、後援会の人たちなのでしょうか?

実は誘われて仕方なく(おいおい・・・)行った歌舞伎で、花道が半分以上見えなかったし、終演後オペラグラスの覗き過ぎで、ちょっと気持ち悪くなったけど、公演内容は満足だった。


胡桃 |MAIL

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