2015年04月09日(木) |
「魂リク」で魂リクロスを痛感する |
とてもステキな弾き語りカバーアルバム。
あたりまえですが、全曲、伴奏はましゃが弾くギターだけなので、
しっとりと静かに、本当に深夜のラジオからの曲を聞いている気分になります。
「銭形平次」とか「長崎は今日も雨だった」とか「コーヒールンバ」とかは、
正直、わたしにはほとんど興味のないラインナップです。
が、誰かのリクエストが自分の好みとはまったく違っていたなんてことは
リアルタイムで聞いていた魂リクでもあることだったので、
むしろそんな選曲すら、本当の魂リクっぽく感じたり。
ギターがまたステキで。
ましゃご自慢のMartin OM-45の音色が、他のギターとどれほど違うかなんてことは、
素人にはさっぱりわかりませんが、とてもとても美しいということだけはわかります。
そのうえ、ましゃの指弾きの技術が素晴らしい。
なので、そんなに好みでない曲でも、ギター聞きたさに聞いてしまいます。
「長崎は今日も雨だった」なんてとっても色っぽい音色だし、
「コーヒールンバ」はもちろんラテンテイストだし、「銭形平次」に至っては、
「福山雅治のギター弾き語りによる『銭形平次』」ってだけで値千金でございましょ?
だって他の誰がやりたがるのだ「銭形平次」の弾き語りを!(失礼)
いやひょっとしたら、
流しのギター弾きさんが、酔客のリクエストに応えてやっちゃったりしてるかもだけど。
特典DVDでは、荘ちゃんと小原さんとましゃの3人が語る「我が『魂ラジ』」から
番組作りへの真摯な想いがひしひしと伝わってきます。
お三人とも、魂ラジがなかったら今の自分はなかった、と断言されていましたが、
魂ラジがなかったらこんなにずっとファンであり続けた自分はなかった、
というリスナーも多いでしょうね。
弾き語りはもちろん、特典映像にもブックレットにも、とにかくすべてに
「魂ラジ」が込められているので、それは嬉しいと同時にちょっとツラい。
魂ラジはもう無いんだもの。
ツラいと言えばさらに、
ほんの数曲だけの、アルバム用に意識して録音された「魂リク」は、
しかもましゃ自身の曲がない「魂リク」は
やっぱりそれは魂リクなんかじゃない、と思えてしまうのもツラい。
今夜は何歌ってくれるのかなー とか、
この曲大好きだー、とか、 今夜のはあんまり好みじゃないかもー、とか、
やっぱり今の季節はこの曲よね、とか
いつものバンド演奏が、ましゃのギター一本ではこんな感じにー、とか、
バンド演奏より、こっちのましゃの弾き語りの方が好きかも、とか。
そんなふうに思いながら聞いてこその「魂リク」だったわけですから、
そういうものがないこのアルバムは、「魂リク」というタイトルだけど、
やっぱり魂リクじゃなくて、ただのカバーアルバムなんだよなぁ、と。
アルバムを通してリスナーに届けようとしてくれた、ましゃのアツい想いは、
もちろんちゃんと届いているし、すっごく嬉しいのですけどね。
ラジオでの弾き語りは、魂ラジとそれ以前の番組のも含めて、
のべ1500曲以上あったそうですよ。
CD用にちゃんと歌い直し、弾き直した方がすべてにおいて高品質には違いないですが、
音の良しあしより、あの時の弾き語りがまた聴きたいなー、という想い
も強くなってしまいました。
1500かぁ。
厳選して150曲くらいに絞って、
1枚15曲入りで10枚を順次リリース、とかいかがでしょうか?
23年間のラジオ音源の中に、傑作がいくつも埋もれたままになっているに違いないし。
ましゃファンクラウドにかかれば、わりと短期間で傑作の抽出は可能だと思うのですけどね。
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