2013年04月08日(月) |
しなやかに したたかに |
さて、「CREA」。
グラビアのタイトルは「福山雅治と街に出る」ですが、
テキストのタイトルは「福山雅治が”福山雅治”でいられる理由」。
ましゃの言葉がいつもステキなのはもちろんですが、
このテキストのライターである川上康介さんがましゃに抱く感想も、
秀逸な表現で記されていて、それがまた面白い。
たとえば、
真っ昼間の街中での撮影に、撮影隊は「人が集まってきたらどうしよう」とびびっているのに、
当の本人は「雨上がってよかったね」と、文庫本片手にスタスタ歩き出す様子には、
自分が福山雅治であることに、まるで無頓着に見える。
カメラに向ける穏やかでやさしげな目は、「何がそんなに心配なの?」と、こちらに語りかけているようだ。
とか。小学生の集団に元気に挨拶され、振り返りながら片手を挙げて「おっ、こんにちは」と返す姿には、
福山雅治は、どうしてこんなにも自然でいられるのだろうか。
とか。
自然体でいながらメジャーの第一線を走り続けていられる、そのひとつの答えが
このインタビューの中にあるわけですが、
そんなましゃの印象的な言葉を、いつものように抜粋しようようと試みたものの、
紹介したい部分が多すぎて断念。
断腸の思いで以下の一節だけ。続く川上さんのコメントにもご注目。
「Get the groove」にも、そんなリアルな福山雅治が垣間見える。歌詞を見ながら自ら説明してくれた。
「この曲の場合は、
『その風は追い風か 理想を突き放す逆風か
受け止め 受け流して しなやかに したたかに』
という部分が自分の今の感情ですね。かつての僕だと”真っ直ぐに生きてゆこう”とか”夢を信じて”って
歌ってきましたけど、さすがに40歳を過ぎた大人になってくると、そういう歌詞はなかなか書けない。
夢はなかなか叶わないことも、人生は思うようにいかないことも、真っ直ぐ正直に生きたらケガをする
こともある。今はそれを知ってしまった。いろんな風が吹く。それを受けとめても、受け流してもいい。
大人としての対処を歌ったつもりです」
それぞれの時代の吹く風に対して、しなやかに、したたかに対処し続ける。それは、まさに
福山雅治そのものだ。「したたか」というと、小賢しく動くというようなイメージがあるが、
漢字で書くと「強か」となる。
まるで野山に生えた竹のごとく、時に風に身を任せて穏やかな孤を描き、風が吹かなければ
吹かないで、天に向かって己を伸ばし続ける。若かった青竹もよく見れば幹が太くなり、たくさんの
葉を生い茂らせているが、地面から真っ直ぐ立っている姿は、10年経っても20年経っても
変わることがない。
川上さんの福山描写は、ファンが読んでも若干こっぱずかしくなる感じはありますが、
まったくそのとおりだと共感せざるを得ず。
「しなやか」で「したたか」とは具体的にはどういうことかは、全文読めばよーくわかりますので、
是非ご一読を。
めずらしく前髪全部下ろしてるオフっぽい感じのましゃが表紙の「CREA」5月号です。
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