今日のおたけび または つぶやき

2013年03月13日(水)  龍馬伝の撮影話withたけるん



1番ソングSHOWのましゃ、湯川先生っぽくってステキでした。

トーク場面は、いつもの面白いましゃでしたが、歌ってる姿は「実は歌ってもすごい湯川先生」みたいな。

そろそろ「ガリレオ」の予告映像などもお披露目が近いかと思いますが、

前回「龍馬伝」の再放送のことなど書いたので、ついでと言ってはナンですがその話題を。



年明け第一回目のたまラジのゲストが佐藤健くんでしたの。

たけるんは蒸溜所にも登場してくれて、『龍馬伝』の時の撮影話なんかもありまして。

だいぶ前になりますが、ちょっとご紹介。



ましゃによると、「龍馬伝」はかなりライブ感のある撮影方法だったので、

芸人さんみたいに自分から画面に映りに行かないと映らなかったそうな。



福「龍馬伝の撮り方は新しくてそれなりに評価されてたけど、

 俺たちみんな、ひな壇芸人みたいなもんで、誰が一番デカい声で面白いことを言ったか、

 みたいな、そういう世界。」

健「はははは」

福「それを拾って編集していくから、自分のセリフがどんなに最初いっぱいあったとしても、

 つまらない芝居してたら全然映ってなかったりしたの。」

健「そう。(セリフのあるなしは)関係なかったですものね。」

福「だからバラエティ番組の手法と一緒だよ」

健「俺のセリフを違う人が言ってたりしましたもん。」

福「はっはっはっはっはっ。平気にあったよね。」

健「平気でありましたよ。」

福「特に土佐勤王党は本当に育ちが悪いから! 人のセリフは取るわ・・・」

健「あれ!? それ俺のセリフ、みたいな。」



ス「ベテランの人はどうだったんですか?」

福「そこはさすがベテランで、最初は戸惑っても、そういう現場だってわかった途端に、

 どんどんやり始めるからね。暴れる暴れる、もう。」



福「『るろう』の現場もそういう感じだったんでしょ?」

健「はい、同じです。一発撮りで。ただ、あそこまでガツガツした人たちが出てくるわけじゃないんで。」

福「ま、だいたいガツガツしているのは香川さんと、青木崇高と・・

 『青木また(台本に)書いてないことやってんな』ってわかるもんね。」

健「だいたいあのおふたりですね。書いてないことやってる方は。」

福「でも、書いてないことやるの、楽しいよね。」

健「楽しいですよね。」

福「そういうことやったほうが、役が馴染んでくるのも早いし。」

健「役を演じている時に『自然に自分の中から出てきたもの』が、

 役の真理を突いてるってことは多いですしね。」

福「計算やコントロール以外のものが出るんだろうね、何でもありのアルティメットなところに行っちゃうと。

 日本の場合は、カット割で『ここで寄り、ルース、カットバック・・・』って決めて、

 それを埋めていくのが伝統的な撮り方なんだけど、それをやっていくと、

 もちろん上がりがよければそれでいいんだけど、予想外のことっていうのは出にくいよね。」



で、テレビやラジオでも、生放送が得意な人とそうじゃない人がいるように、

映像での演技も、ライブ感のある芝居が得意な人と、収録っぽい芝居を得意とする人がいるんですと。



福「どっちがいい悪いじゃないんだけど、たとえば『この人の芝居、ちょっとライブ感がないなー』

 なんて思っても、カンパケして上がってくると、すごく良かったりするんだよね。」

健「そうなんですよねー。不思議なんですよね。」

福「その人が何度も間違えるから、それに合わせて何回もやってる自分のほうが、

 上がりを見ると、明らかに疲弊して芝居が良くないの。芝居が死んでるの。」

健「そうなんですよ。」

福「相手の方がセリフ入ってないし、何度も噛みまくってNG出すし、こっちはセリフも全部入ってるんだけど、

 それにあわせて何度もやってると、その人の方が最終的に良いの。」

健「不思議なものでね。」

福「たぶん、その人にとってはそれがアウトオブコントロールの状態なのだろうね。

  だけどこっちは、芝居がもう死んじゃってるの。もってかれちゃってるんだよね。」

健「でもそれ(アウトオブコントロールの状態)、やろうと思ってもなかなか出来ないですよね」

福「できないできない。」

健「その人はいい役者さんだし、実際いい出来なんですよ。」

福「そう。だけどこっちがエネルギーを吸い取られまくって。

 子どもとか動物とか相手にすると、こっちはそうなりがちなの。子どもも動物も何やるかわかんないでしょ。

 何やるかわかんない相手が目の前にいると、こっちは当然構えるし、自分をコントロールしようと

 してしまうの。たとえば、先に相手が酔っ払うと、こっちはもう酔えない、みたいな感じ。」

健「そうそうそう!」

福「それと同じで、この子何するかわからないから俺がちゃんとしなきゃ、って思うと、

 もうつまらない芝居しかできなくなってるの。」

健「そうなった時点で、もう、つまらないんですよね。ほんとそうなんですよ。」

福「あれ困るよね。」

健「こまる!」

福「だから、龍馬伝みたいに長まわしで、カメラも色んなところに入ってきて、

 決まってるようで決まってない、という現場で、全員がそういう状態だと、

 自分もアウトオブコントロールのところに行けるんだよね」




福「健なんかは17歳から芝居を始めて今24歳でしょ。その間にたくさんいい仕事を残している。

 もちろん実力もあるけど、やはり出会いだよね。」

健「出会いですね」

福「芝居は集合体でやってるから、どんなに自分だけがんばっても、

 よくならないものはよくならなかったりする。

 『あれ?結局良くならなかったな』みたいなことってあるんだよね。

 でも、がんばらないといい作品にはならないし。人が多いと大変だよね。」

健「大変ですよね。おつかれさまです。」



龍馬伝飲み会のお話を聞いてから、改めてこの健くんの穏やかな口調を聞くと、

「こういう感じで芝居を語りながら飲んでるんだなー」と想像できてさらに興味深かったです。




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