| 2011年10月26日(水) |
ましゃ&みゆきさんの楽曲制作裏話 その1 |
先週のたまラジに、中島みゆきさんがゲストで来られ、
作詞作曲家兼歌い手同士ならではの興味深いトークを、ましゃと繰り広げていらっしゃったので、
ちょっとご紹介。(たまラジHPではもっと読めます。)
初対面のおふたりだが、ましゃのカバーアルバム「The Golden Oldies 」には
みゆきさんの「ファイト!」が入っており、たまリクでも「時代」や「糸」や「化粧」などを歌ったり、
みゆきさんの作品は大好きなのだそう。
み「「ファイト!」は福山さん音程がものすごくいいから、安心して聞けていいですよね。すごい正確。」
ふ「本当ですか? 褒められた! みゆきさんは人の歌を歌うことってあるんですか?」
み「ないですね。覚えられないから(笑)。自分の歌でさえ覚えられないのに、人様の歌までとてもじゃないけど。」
おふたりとも、自分で歌うのはもちろん、他のアーティストに曲を提供したり、
タイアップで決められたテーマに沿って曲を作らなくてはならないことも多く、それゆえ
常に多くのストックを準備しているそうな。
そ「『たくさんのアーティストの方に楽曲提供をされていますが、
提供するときには何を一番に考えて作詞作曲をされるのですか?』という質問もあるんですが。」
み「あのね、私曲書くのものすごーく遅いの。だから、締切とか絶対間に合わない。」
ふ「良かったー。ほっとします。そういう話大好き。」
み「はい。だから、自分のとりあえずある曲の中で、自分では歌いづらそうなのを人に渡す。」
ふ「さすがです! 作るのと歌いやすい曲っていうのは違いますよね。」
ふ「じゃあ、みゆきさんはストックある派ですよね、曲の。」
み「完成形はほとんどないですけどね。」
ふ「じゃあスケッチ的なものが。」
み「はい。自分で書き上げた曲でも『今歌う気持ちじゃないな』っていうこともありますもんね。」
ふ「ですね。あります、あります。」
そ「じゃあ、今歌ってる曲がすごく昔にできた曲ってこともあるんですか?」
み「あります、あります。それに、もう発表しちゃった曲で、発表したからコンサートで歌ってるけど、
『わかんねぇなー』と思いながら歌ってることも。10年ぐらい経ってから『そういう意味かぁ』ってわかることも。」
ふ「ありますね。歌詞を変えたくなることもメロディーを変えたくなることもあります。」
み「そう、あります! あります!」
ドラマ「南極大陸」のテーマ曲「荒野より」については、
ふ「「荒野より」は最近書かれたんですか?それともスケッチは元からあったんですか?」
み「これはね、14、5年経ってます。なかなかヴィンテージですよ、お客さん(笑)」
ふ「味のってます! 今ワインの栓抜きどきですね。」
み「完成して14、5年置いといたわけじゃないですけどね。詞も曲もね、あっちゃこっちゃ虫食いで。
それが、あるきっかけで出来上がるわけですけど。」
ふ「取材を読ませていただいたら、「荒野より」は犬目線で書かれたとか。」
み「プロデューサーさんからは念を押されたの。私が犬モノが多いことを知っていたんでしょう。
『念のため申し上げておきますが、この作品は主人公は人間ですので。犬ではなく人間ですので、
そこんところよろしくお願いします』って言われたそのとき、すでに私の頭の中ではタロとジロが
わんわかわんわかしてましたので、聞いちゃいねーや状態で犬の世界を走ってまして。
出来上がったら犬の歌だったのね。でも、プロデューサーさんにそれは言えないので、
『いや、すべての生き物に通じるのですから』とかなんとか主張したんだけど、
『変だなぁ、俺は犬の気持ちになってくるなぁ』『いや、気のせいです。気のせい』って押し通しました。」
ふ「犬目線。そして一緒に入ってる曲はバク目線ですから。」
み「はい。そうです。はははははは! 動物だらけ。」
「荒野より」のカップリングが「バクです」という曲で、こんなタイトルなのに(失礼)またまた泣かされてしまう曲なのです。
「荒野より」は、犬目線と知らずに初聴きで泣きそうになり(犬目線と知らされてもまた別の意味でグっとくるのだが)、
「バクです」も初聴きで泣きそうになり、なんなんざんしょっ!(逆ギレ)
心の琴線わしづかみの曲を書き、歌う方でいらっしゃいます。
続きはまた後日。
|