| 2011年09月08日(木) |
「髑髏城の七人 2011」 |
久々に味わうカタルシス。
新感線はやっぱりこうじゃなきゃ! な、爽快感と満足感でした。
1990年の初演以来、5回目の公演なんですって。
私が観たのは3回目のアカドクロ、4回目のアオドクロですが、その両方とも2004年だったなんて!
あれからもう7年も経ったなんて!
新感線の作品の中でも最高に好きなもののひとつなので、ちょー楽しみにしておりました。
すでに終了している大阪公演のレポなど拝見したら、新感線初参加にして主役のひとり・捨之介を演じる
小栗旬くんの評判が今ひとつだったので、おやおや?どれどれ?と、ちょっと上から目線の
客として臨みましたところ。
おぐりっしゅ捨之介カッコいいじゃありませんの!
スタイルのいい長身の着流し姿は染さまにも劣らずですよ。
舞台経験が豊富で踊りも殺陣も素晴らしい森山未來(天魔王)、早乙女太一(無界屋蘭兵衛)に挟まれて
殺陣や動きがひょっとしてとんでもなく見劣りするとか? とも思いましたが、そのようなこともなく。
殺陣も大きくスピーディーで見ごたえがあったし、飄々とした捨之介の魅力がよく出ていました。
染五郎や古田新太が演じてきたド迫力の天魔王を、森山未來くんが演じるといったいどうなるのだろう?
という興味もあったのですが、キャスト全体が若返ったこともあって全く違和感がなく。
「ワカドクロ」という命名は絶妙だなと思いました。
キャラ的には、兵庫(勝地涼)や三五(河野まさと)が大好き。笑わせてくれるし。
勝地涼くんは過去2回、新感線の舞台で拝見していますが、どんどん鍛えられてどんどん
魅力的になっている役者さんだと思うので、今回の兵庫役への抜擢はとても嬉しい。
刀鍛冶の贋鉄斎がまさかの高田聖子さんとかもね。最高ですよ。
贋鉄斎は最初に観たときにもう涙流してアゴはずれるかと思うくらい笑ったので、
きっちりがっつり笑わせてくれる役者さんじゃなきゃイヤですが、聖子姐さんなら間違いはない。
仲里依紗ちゃんの沙霧も逞しくもキュートだったし。
で、早乙女太一くんの無界屋蘭兵衛は、わたしが観た蘭兵衛役の中では一番好きです。
わたしの中では一番蘭兵衛らしい蘭兵衛というか。今までの中で一番感情移入できた蘭兵衛というか。
天魔王と捨之介の最後の一騎打ちも最高に見ごたえがありましたが、蘭兵衛の最期も
すさまじくドラマチックでしたわ。
髑髏城の中に浮かぶ7人のシルエットには、7年ぶりに観てもしっかり泣かされるし。
諸々のツボを外さない最高傑作のひとつですよね、やはり。
パンフの対談も面白いのですが、旧・捨之介(古田新太)から新・捨之介(小栗旬)への
アドバイス、旧・天魔王(市川染五郎)から新・天魔王(森山未來)へのアドバイスが
非常にユニークで、でも的を射ていてとても面白かった。
さすが百戦錬磨の先輩たちは目の付け所が違いますな。
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