待ってたよー。待ち焦がれていたよー。
最初のシーン、最初のひと言から集中しまくりですよー。
たまたまなのでしょうが、ナレーションやセリフ、シーンの多くが今の日本の状況に
ものすごく重なります。見た目の状況も、人々の抱える気持ちなども。
僕たちはあたりまえだと思っている
思いたてば地球の裏側に行けることを
いつでも想いを伝えることができることを
平凡だが満ち足りた日々が続くであろうことを
昼も夜も忘れてしまったような世界を
けれど それはすべて与えられたものだ
誰もが歴史の中で戦い もがき苦しみ
命を落とし 生き抜き 勝ち取ってきた結晶だ
だから僕たちは さらなる光を与えなくてはならない
僕たちのこの手で
最初から、JINのすべてを語りつくすかのようなナレーション。仁先生のステキな声でね。
あれから2年後ですか。
変わらずに活気あふれる市井、でも大きく変わろうとしている江戸という時代。
仁先生も2年前と変わらず「自分は何のためにこの時代に送られたのだろう」、
「自分がその命を助けることで歴史を変えてしまってよいのか」と、自問自答を続けながらも、
医者として必死に日々を送っておられます。
医術以外では不器用で間が悪かったり、刀に対して全く非力だったり、な、仁先生らしい
ちょっと弱っちいところもあるらぶりーさもステキ。
咲ちゃんや山田先生はじめ、仁友堂の皆さんもめきめきと腕を上げ成長されているのがわかります。
前回も龍馬さんや勝先生、緒方洪庵、長州の久坂玄瑞、など多くの歴史上の有名人が登場しつつも、
エピソードの中心はほぼ江戸のふつうの人々でしたが、
今回の初回を観た限りでは、今後は歴史的な大事件や重要人物の生死の方に多く関わってゆきそうですね。
重要人物なだけに「この命に関わることで未来の歴史を変えてしまってよいのか」と、
迷い悩むことばかりになるわけですが、もはやそんな迷いを最初にバッサリ断ち切ってくれたのが
仁とは反対に未来に行って戻ってきた佐久間象山との出会い。
「私ごときが歴史にかかわってしまうなんて」といつまでも逡巡する仁に、
「それこそが神の意思だとは思わんのか。歴史を変えるために自分が送り込まれたのだとは。
おまえは歴史を変えてしまうことを恐れている。裏を返せばそれは、
自分が歴史を変えてしまえるかもしれない、と思っているからだろう。相当な自信家だ。
つべこべ言わずに救え。もしオマエのやったことが意に沿わぬことであったら、
神は容赦なくおまえのやったことを取り消す。神はそれほど甘くはない。ならば救え!
その心のままに。救え!」
仁と同じようなタイムトラベルをしてしまった人がもうひとり登場、となると、さらにSF度が増しますね。
でも、それくらい大胆なことでもないと、仁の迷いやこだわりは断ち切れないということでもあり。
仁にとっては歴史として尊重しなければならないものでも、今の江戸の人にとっては全く未知の未来。
未来を良くしようとする努力を、遠慮しなくてはならない理由なんてないのだから。
「再び京の町に出ると、世界は変わっていた。世界は変わっていたんだ。」
燃えさかる町、逃げ惑う人々、傷ついて倒れた人々。
このシーンのあたりから、被災地や被災者の方々を思いおこさずにはいられません。
傷ついて運び込まれた者としては同じでも、火を放ってしまった長州藩士への風当たりの強さには、
原発関係者の姿がよぎったりもする。
命を差別する者にはなりたくない仁先生は、誰に対しても最善を尽しているのに、
万遍なく救うなんてことはできない。
西郷の手術をしている最中に、その西郷を斬りに刺客が来る。その刺客が返り討ちにあって切り捨てられる。
命を救おうとする端から失われてゆく命。どの命も差別はしていないのにそれが現実。
急ごしらえの診療所に戻ってみれば大やけどの少女はすでに亡くなり、長州藩士の姿も消えていた。
こちらで使うはずだったペニシリンも西郷に使ってしまってもう無い。
「それから数日間、俺は患者を見送り続けた。俺は無力だった。神の定めた歴史の前に。
俺は何のために来たのだろう。何をするためにここへ。この時代へ。」
江戸の町にタイムスリップしなくても、今この時にそれを感じている人はいっぱいいるのですよね。
「死んでいった者らに報いる方法は一つしかないと思わんかえ。
もいっぺん生まれてきたい。そう思える国にすることじゃき。そう思わんかい。」
龍馬さーん!
豪快で人懐っこい内野龍馬さんとも、久々にお目にかかれてうれしいわー。
福山龍馬さんも大好きでしたが、仁先生と一緒にいてぴったりなのはやはり内野龍馬さんですね。
そして最後にきいちがちょーGJでした。
もう生きていても仕方がない、と嘆く栄に、
「おいらもそうでした。おっかさんが死んだとき、おいらもコロリから助からなきゃよかった、って思いました。
だけどおいら、あれからいいこと、いっぱいありました。変わったことだっていっぱいあります。
ペニシリンができて今度は脚気に効くお菓子ができて、南方先生が来て江戸はすごく変わりました。
だからこれからもきっと変わります。奥方さまが笑える日はきっと来ます。でも死んだらダメなんです。
生きてなきゃ笑えないんです。」
子役なんて2年も経てば別人のようにデカくなって変わってしまうのに、きいちあんまり変わってないわー、
と思っていたのですが、中身は立派に成長していたよ。いやマジすまんかったきいち。
そしてそんなきいちに救われた栄さまの本領発揮。
「負けは許しませんよ、咲。オマエは戦のような人生を歩むのでしょう。でも選んだのはおまえです。
ならば勝ちなさい。同じような道を歩む世の女子たちのためにも、道を開きなさい。
くじけることは許しませんよ。楽しみにしています。咲。」
栄さまはやっぱりこのくらい強くて迫力がなきゃね。
「神の許した行為、神の許さなかった行為。その違いがどこにあるのか俺にはわからない。
だけどひとつだけ確かなことがある。この手を止めてしまっては何も変わらないということだ。」
そう。わからないことばかりだけど、仁先生はひたすら誠実に医療を続けるだけ。
そしてその努力や成果を妬み、足をすくおうと悪意を向けてくる者も必ずいる。
はあー。次回も濃そうですなあ。そして楽しみですなあ。
|