いいドラマでしたな。
最終話はいつにも増してヘイタのナレーションが多く、88歳になったヘイタの語りまで
ありましたが、たけるくんの口調は本当に穏やかでせつなくて、いつもいつも耳に心地よかったです。
数え切れないほどたくさんあった名言が、どれもすーっと心に染み入ってきたのは、
彼のこの素晴らしい語り口に拠るところも大きかったのではないかと。
Q10は本当に可愛かったなー。ビジュアルはもちろんしゃべりも動きも。
ヘイタのお顔はやっぱり悠久の時を経てなお美しいツタンカーメン王のマスクだったし。
(個人的にあのマスクのお顔が子どもの頃から大好きなので、似てる実在の人物を発見できてとても嬉しいわたくし。)
そんなふたりのツーショがとにかくお似合いで、見てるだけで楽しかったですよ。
手ぇつないで歩いてる様子のらぶりーさと言ったら!
大人たちも、それぞれがとてもマイペースでありながら「頼りになる大人」だったのもヨカッタ。
柳教授の大活躍は言うに及ばず、穏やかで懐の深い校長、
年の功ってステキと思わせてくれる自転車屋の母、
なんだかんだ言いつつ結局は思いやりにあふれたヘイタの家族。
では、名残を惜しみつつ最終話の名言&ツボなど。
テーマは「(自分の眼には)見えないもの」も、あると信じればある、ということ。
一歩間違えば怖ろしい盲信&盲従になるけれども、そうならなければ、
きっと幸せの鍵になってくれるに違いない「信じる力」のことを、88歳になったヘイタが教えてくれました。
・「今は見えなくても、自分を信じろ。
いつか目の前に、おまえが信じたものが形をもって現れる。その日まで。」(88歳のヘイタ)
・「愛も勇気も平和も、この地球上にあると思えばきっとある。」(88歳のヘイタ)
・「俺のせいなら俺がひどい目にあうべき。」(ヘイタ)
「世界はそんなに公平にはできていないのよ。」(柳教授)
・「みんな明日があるって何の疑いもなく信じている。」(ヘイタ)
「それを奪ってはいけません。誰も奪ってはいけません。」(Q10)
・「Q10を愛したように世界を愛せよ。」(88歳のヘイタ)
・「母ちゃんを成り立たしているすべてを愛する。」(ヘイタの父)
・「このドラマはフィクションですが、あなたがいると信じる限り、
登場人物たちは誰が何と言おうと、どこかで生き続けます。」(番組おわりのお知らせ)
もちろんこれは、願えばなんでも叶うという都合のいい話ではないですね。
願い続け、想い続けることで、それが行動となり、あるいは人々を動かし、
実現する可能性がある。という、要するに世界を良くも悪くも作り上げてゆくのは
オマエ自身の想いと行動だ、しかも一生の時間がかかるかもしれない、ずっとずっと続けていく
想いと行動ということだと思うのですが。
「Q10を愛したように世界を愛せよ」っていうのはさすがに、悟りを開いた人のようなお言葉なので、
なかなか凡人には真似できませんぜダンナ、って感じですが。
そりゃ、それができれば即世界平和なんだろうけどさ、努力項目には揚げときますが凡人には何とも!
「自分、妻を愛するように世界を愛しています」なんてキッパリ断言するヤツがもしいたら、
申し訳ないが絶対信じねーぞ。「こいつ絶対オカシイ」とか思っちゃうぞ。
ラブリーなツボとしましては、中尾の部屋でQ10と手を繋ごうとしたヘイタにキレる中尾、
中尾に最後に「ぱふぱふ」パワーをあげてたQ10、年賀状を描いているヘイタとQ10、
几帳面な右手の振り付きで昔懐かしい歌謡曲を口ずさむQ10、あたりでしょうか。
ヘイタのその後の人生が、とても裕福で恵まれたものだったようなので
一気にファンタジー色が強い幸せいっぱいなラストとなりましたが、
願わくば久保のささやかな夢も実現し、中尾がQ10制作にいくらかでも関わった未来でありますように。
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