どーにも惹かれてしまうのが医療モノなわけです。
お話のパターンとしては特に目新しくもなく、地方の病院にいきなり現れたゴッドハンド外科医、
患者より保身と名声を優先する医師達との確執、患者の命をめぐる感動のドラマ、といった
ところですが、もちろん面白かったですよ。まんまと泣かされてしまいましたわー。
「孤高」というのは、ひとりだけ他とは離れた高みにいる、という意味で、
きわめてふつーな中に埋没して生きている自分としては、とても憧れる言葉です。
そしてこれはもちろん、自分で「孤高」と名乗るようなものでは決してなく、
他者からの評価によってのみ与えられる表現かと。
極めて個人的な印象ですが、「孤高」とセットになっているのが「静謐」です。
大げさに騒ぎ立てたりかき回したりすることなく、高潔な志と高度な職人的技術を持ち続けることで、
静かに人々の心を変えてゆく闘い方をする人、という印象だからです。
堤真一演じる当麻先生は、医師としての志と技術においては「孤高」の人で、
でもそれ以外ではいわゆる「天然」な可愛らしさを持つ、ひじょーに魅力的な「専門ばか」なお方。
荒んだ医療現場で疲弊しきっていた看護婦の夏川結衣、ひとり息子を亡くす小学校教師の余貴美子の、
すばらしく説得力のあるナチュラルな演技にも、どーにも泣かされっぱなしでした。
当麻医師を落とし込もうとする生瀬勝久のイヤらしさも最高だし、当麻をよく理解している
かつての同期の松重豊のカッコよさも最高。
手術シーンはとてもリアルで最大の見せ場ではあるのですが、
そのシーンも含め、全編が静かに淡々と進んでゆく感じが医療モノとしてはかえって新鮮で
とても好印象です。
「自分の仕事は手編みのセーターをこつこつ編んでゆくようなもの」と言う
当麻医師のお仕事姿勢にふさわしいスピード感とでも申しましょうか。
「孤高」って、抜きん出てはいるけど決してでしゃばらないし偉ぶらない。
そして「孤高」でありながら「らぶりー」でいることも可能。しゅてきですね♪
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