| 2010年01月29日(金) |
「血は立ったまま眠っている」 |

凄まじい舞台でした。
人間の、猥雑で醜悪で幼稚で自分勝手な面を徹底的に描きだすので、
終始「グロテスク」としか言いようのない世界。
寺山作品の舞台で他に観たことがあるのは、美輪さまの「毛皮のマリー」で、
そちらも相当に淫靡でアングラな要素もありましたが、妖艶で豪華絢爛という印象の方が強かったのです。
が、「血は・・・」はとにかく凄まじい。
自分がほとんど眉をひそめてたのがわかったもの。ちょっと見たくないかも、というシーンばかり。
「人間の尊厳」とか「美しい」とかの感覚はない人たちなの? みたいな。
でもその分、剥き出しのほとばしる生命力に捩じ伏せられる感じです。
この怖ろしいほどのナマのエネルギーが感じられなければ、つまりはナマの舞台でなくて
映像でこんなものを作られても、きっと絶対観ないだろうな、と。
そういう感想を抱いてしまうというのは、
自分がいかに穏やかで平和で均質な世界で生きているか、ということなのですが。
でも、「うわっこれしんどいわー」と思いつつも、ぐいぐい引き込まれてゆく凄い舞台でした。
そんな中で森田剛くんは、窪塚洋介、寺島しのぶ、の両氏とともに、グロテスクさというものがなく、
特にゴウくんは、一番まともな人間っぽくて(いやもう何をもって「まとも」と言うのかもわからないほどの世界なのだが)
その苦悩やせつなさも、かろうじて共感できる稀有な存在。
以前から役者ゴウくんは大好きなのですが、今回ももちろん素晴らしい役者さんだと再認識しましたよ。
なんだろねー、なんか素敵だよね。
演じる役にもよるのだろうけど、せつなさ哀しさ色っぽさ少年っぽさ、を、本当に素敵に表現なさる。
これからもますます素敵な役者さんになってくださいませ。
あと、乙女ねえやんこと寺島しのぶさんをナマで拝見できたのが、時期的に嬉しかったです。
みずみずしく美しい少女を、全く違和感なく好演なさってました。
寺山修司おそるべし。蜷川幸雄おそるべし。
まだまだ、未知の世界はいっぱいあるのだわ。
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