せらび c'est la vie |目次|昨日|翌日|
みぃ
何故だか知らないが、このところ矢鱈に眠い。冬眠期がやって来たのに違いない。 人間も冬眠するのが自然の理に適っていると思うのだが、どうだろう。 とは言え、生憎ワタシにはまだまだやる事が山積み状態なので、今のところ冬眠している場合で無いのが残念である。 ならばそのうち冬眠出来る日が来るのかと言うと、それも怪しい。 本来なら、ワタシは夏の間に「夏休み」を取る予定であった。 しかしあんな事やこんな事にかまけているうちまんまと機を逸して、結局秋の大忙し期に突入してしまった。その秋も途中までやって来た辺りで、ふむ、この調子では休暇の時期になっても休暇など取れそうに無いぞ、という事実に直面して俄かに蒼くなる。 一年のうち一度くらいは、どこかで休みを取るべきだと思う。どこか別の街へ出掛けて行って充電し直す時間というのは、誰にでも必要だと思う。ワタシにも必要。ワタシだって休暇を取るべき。そうそう。 だから来週末に、ほんの数日だけれど、旅行に出る事にしたのです。 でも他人の出張に便乗するのだから、あちらも遊びで来るのじゃないし、ワタシもヴァケーションという程のヴァケーション気分にはならない気がする。もう一寸きちんと休みたいものである。 それにしても「暦」というものは、ちっとも待ってくれやしない。無常なるかな。 気が付くと、知らぬ間に暦は先へ先へと進んでおり、何だか日にちを随分損したような気がするヮと呆けているうち、更に暦は過ぎて行く。「師」が走るというより、「暦」が走っているような気がする。 そういう忙しい盛りには、我々の頭の中はすっきりはっきりとしておらねばならない。誰もが大急ぎで仕事をやっつけようとしているのだから、こちらもそれぞれに対応すべく、臨機応変にやりたいところである。 ところがそういう肝心な時に持ってきて、ワタシの頭は何だか始終眠たくて仕様が無い。只のPMSだと良いのにと思う。 PMSと言えば、ワタシももっと若い頃は彼方此方痛かったりだるかったりと大騒ぎだったのだが、ここ数年は見違えて楽ちんな月のものを迎えている。「ホルモン」とは、偉大なり。ワタシも着実に年を取っているらしい。 折角神様だか何様だかが、ワタシにも自らのDNAを再生する機能を備えてくれたらしいのだが、「宝の持ち腐れ」で終わってしまいそうな気もして、なにやら寂しい気もする。 一応、折角の「宝」を何とかして次世代へ繋いで行こうという心積もりだけは、こんなワタシでも持っている。只、偶々それに見合った逞しいスパーム(sperm)の持ち主に巡り会えていないだけの事である。 昨日の日記でも一寸書いたけれども、価値観が同様な「好い人」というのが、今のところワタシの周辺にはひとりとして存在しないのは、残念な事である。 「親切なオトコノコ」とか「何故だか知らないがワタシの事を大変気に入っているらしいオトコノコ」とかいうのだったら、ちらほらと出くわす。または時折遊ぶのならまあ良かろうといった程度にお金や外見の持ち合わせ、また女の扱いの心得のあるオトコノコというのも、意外とそこいらに転がっている。 しかしワタシが望んでいるのは、「弱虫」ではなくて「逞しい」オトコノコだし、しかし「乱暴者」ではなくて「ヒューマニスト」なオトコノコであり、だからと言って「ナイーブ」だったり只の「ブックスマート」ではなくて「ストリートスマート」なオトコノコでなくては困るし、更に「物欲主義で見栄っ張りのお馬鹿さん」ではなくて「ものを見る目を備えた理性人」なオトコノコであって欲しいのである。 そんな事を言っているうち、前述のワタシの周りにいるオトコノコたちというのは、このうちどれかひとつかふたつしか備えていないし、またそれ以上のものをワタシの為に備えたいとは格別思っていないらしいという事が分かってくる。 ワタシの為に是非ともいい男になろうではないか、と思ってくれるオトコノコがいないというのは、女としても残念な事である。 しかしひょっとすると、そういうワタシが望んでいる性質をすっかり備えているか若しくは将来的にその素質があると思われるオトコノコを探しているより、ワタシ自身がそれを全て手に入れた方が手っ取り早いかも知れない、という気もして来る。 人に期待するより、自分でやっちゃった方が早い。 こういう元来の性質は、この場合少々痛い。 そう言いつつ、ワタシも一回くらいは嫁に行って、ひとりじゃ出来ない人生経験をしておくのも悪くは無かろうとは思ってはいるのだけれど、勿論「好い人」さえいたら早速明日にでも嫁に行ったって構わないという心積もりではいるのだけれど、しかしまぁ世の中そうはイカの金玉。 嗚呼、眠い。秋眠暁を覚えず。 日照時間の所為もあるかも知れない、とふと思う。 お天道様が照らなくなると、ワタシの体内時計も狂ってくるし「セロトニン」も少なくなってしまうのだろう。鬱の危機である。 これより高緯度の土地には住めないだろうなぁ。 欧州では異例の寒波で、家の無い人々が方々で多数凍え死んでいるという。 ワタシは最近になるまで、おフランスでは失業率が当の昔に十パーセントを超えているという事実を知らなかったので、出生率が一寸ばかし増えた程度では国の社会福祉の度合いは計り知れぬものだなぁと今更のように思う。 今週末には例の団体の今年最後のイベントの為に、大盤振る舞いして「鶏の唐揚げ」を作ると言ってしまったから、明日辺りから仕込んでおかねばならない。 この糞忙しい時節に、どうして「持ち寄りパーティー」などという面倒な事をやろうと言い出してしまったのだろう、ワタシ。しかも揚げ物なんて、面倒臭くてうちでは殆どやった事も無い癖に。 本当は鮭を塩焼きにしたのを散らした「ご飯もの」を作る心積もりでいたのである。しかしうちには「炊飯器」というものが無いので普段炊きなれない量の米を炊くのに一寸不安がある、と言ったら同僚がそれなら私が「ちらし寿司」を作って行く、と申し出てくれたので、ではワタシは何か別のものを、という話になったのである。 面倒臭い。 面倒だから、インスタントの唐揚げ粉を買って来てやる。 添加物が気になるが、自分は味見に留めるから良しとする。酷い話だな。
|