せらび
c'est la vie
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みぃ


2004年11月29日(月) 大休暇その一が終了して慌しい季節に突入す

秋から冬に掛けて、この辺りでは感謝祭とクリスマスという二大家族大集合イベントが続く。この度はその一つである感謝祭があり、民族大移動が彼方此方で見掛けられた。

外国人で身寄りの無い独り者は、こういう家族が集まる休暇が近づくと益々ひとりぼっちである事実が歴然として、甚だ寂しい思いをするのだが、幸運な事にワタシは、毎年どちらかの休暇で他所の家の晩餐に呼ばれては、七面鳥のご馳走に与かっている。

こうやって喰いっ逸れが無いところを見ると、ワタシという人間は「飢え死」という死に方だけはしないものと思われる。何と恵まれた人生だろうと思う。

それぞれの七面鳥晩餐には色々な思い出があるので、それも交えて今後書いていこうと思っているのだけれど、こと先週末に関しては、ワタシは思いがけず一人きりで過ごした。それと言うのも、数少ない親しい友人が大陸の端っこから訪ねて来ると言っていたのに、それきり何の連絡も無いまま結局休暇が終わってしまったからである。何だか狐につままれた様な心地である。

彼とは以前住んでいた街で知り合った、大変気の合う友人である。ツウと言ってカアと返ってくるような友人というのは実際中々無いので、ワタシは彼と知り合い、友好関係を築く事が出来たのを、大変光栄に思っている。

丁度同じ頃別々の街へ旅立って行ったワタシたちは、全く異なる人生を歩む事になるのだが、何しろ彼は順調に達成すべき目的を達成し、今では優しい彼も出来て、遠くの町で仲良く二人暮しをしている。

その恋人の実家が偶々うちの川向こうにあって、休暇になると二人して大陸を遥々渡って実家へやってくるので、その序でにワタシとも遊んでくれたり、また恋人の実家の晩餐にも呼んでくれたりする。

それが今年は、クリスマスの休暇にいよいよ日本の実家に連れて帰って、彼の家族に紹介するという事になったらしい。それで今年はクリスマスでなく感謝祭の休暇中に川向こうの恋人の実家へ帰る事にしたので、またその序でにワタシの街まで出掛けてくるから会おうという話であった。

去年はヤツラは前日の宴の酔いが残っていて今にも吐きそうだったので、積もる話どころか普通の話も間々ならなかった上、何やら気に病む事があるらしい恋人には用事が済んだらさっさと追い帰されたから、ワタシと友人はゆっくりと親交を確かめ合うような時間が与えられなかった。だから今回のお出ましは、ワタシには大歓迎であった。

その上恋人には高校の同窓会に出席する予定があるというので、それならば彼が留守の間君もこちらへ出て来て軽く同窓会と行こうではないかと、ワタシたちはメールで暫し盛り上がった。

具体的に日取りが決まったら是非知らせてくれろと言ったのに、それきり彼からは何の音沙汰も無かった。

それで一寸がっかりして、うちで鶏の揚げたのをひとりで喰い、翌日の安売り市にも出掛けてみたけれど目当てのものは手に入らなかったので、更に又がっかりして、唯一買って来た日本語の本を読んで、ひとり大人しく過ごした。しかし久しぶりに読んだら、閃く事が随分沢山あって、中々有意義な休暇に仕上がったので、満更悪くは無かった。

しかし彼には今回の件についての説明を期待している。実際恋人の実家まで出掛けて来たのやら来なかったのやら、また来るには来たのだがワタシとの逢瀬はどういう訳だかで止めにしたのか、その辺りをじっくりと聞かせて貰わねばならない。


昨日翌日
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