南盤月記
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「白和えに似たもの」をつくった。
布巾が少し汚れていたので、水切りの工程を飛ばしてやってみた。 丼に豆腐と千切りにした柿とブチ込んでミリンと味噌とすりゴマで味付け。 スプーンでうりゃうりゃと混ぜて出来上がり。
野中「んー、水っぽいが、思ったほど不味くはないな」 妻 「最初から不味いと思ってるよーなものを食わせんな」
なるほど一理ある。 たしかに自分で不味いと思ってるものを人に食わせるものではない。
だが、自分としては、『もしかしたら不味くなるかもしれないけれど、たぶんそこそこ美味いものができるだろう』というつもりで作ったのであって、決して『不味くなる』と思って作ってたわけではない。
そういうことを伝えたかったのだが、そのときはうまく云えなかった。 まぁ、今となっては後の祭りだ。
唐突に華岡青洲の話を思い出す。 世界で最初に全身麻酔を成功させた医者。 この人は自分の妻で麻酔薬の試験をしたが、そのときの気持ちをうまく説明できただろうか。
うっかり― 「んー、危ないかと思ったが、案外うまくいったな」 とか云って、妻を怒らせたりしなかっただろうか。
野中
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