あたたかなおうち



 指輪

私の手は、子どもたちに負けないくらい小さくて、幼い。
化粧っ気のない指に
不釣合いなほどに輝くのは、一粒のダイヤモンド。

エンゲージリングが嬉しくて嬉しくて
何度も何度も左手で空を仰いだ。
昼も夜も飽きずに眺める私を
祐ちゃんは笑って、優しく包み込んだ。


あれから時を重ねて、思いを重ねて
いつの間にかなじんできた指輪を
それでも毎日ふと眺める。
もうすぐここに、もうひとつの指輪が重なる。

結婚式まで、あと半年。

2006年08月03日(木)
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