あたたかなおうち



 幼なじみ

祐ちゃんの幼なじみに会った。

幼なじみであり、初恋の人であり、
祐ちゃんが初めてお付き合いした女性。

待ち合わせの駅で、遠い人ごみに祐ちゃんは手を振る。
背の高い女の人が近づいてくる。
はじめまして、華です
私の言葉に、その人は感激したように言う。
はじめまして。なんてかわいらしい彼女なの
私を抱きしめんばかりにまぶしい笑顔を振りまく。

れいこさんは、太陽のような人だ。
そうだ、祐ちゃんのお母さんに似ている。
こう考えるのは変なのかもしれないけれど
祐ちゃんとれいこさんはお似合いだと思った。
素敵な二人だと思った。

祐ちゃんが車を取りに言っている間、
れいこさんはいたずらっぽく笑って言う。
何かあったらすぐに連絡してね
こてんぱんにしてやるから

はい
私達はくすくすと笑いあう。

ふと祐ちゃんの後姿に目を向けて、
れいこさんは穏やかな声で言う。
あいつは華ちゃんを本当に大事にしてくれるから
私はしっかりとうなずく。
祐ちゃんの車はもう私達の元に近づいている。

2005年11月30日(水)
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