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■ 人生最良の日
横浜にある観覧車は 夜になると時間を告げる、巨大な時計になる。
祐ちゃんは私の手を引いて、観覧車の見える堤防を歩く。 横浜は夜景がきれいで、私は周りを見渡してばかりいる。 祐ちゃんは前を向いて、しっかりと歩く。 私の手を強く、強くにぎって。
祐ちゃんがふいに立ち止まり、観覧車を見つめる。 次の瞬間、大きな大きな時計が午前0時を指して 祐ちゃんはささやくように言う。
おめでとう。
私は満面の笑みで答える。 ありがとう!!ありがとう、祐ちゃん!
観覧車は突然時計から花火のイルミネーションに変わり 私は思わず見とれてしまう。
祐ちゃんが私の方を向いたので、私も祐ちゃんの方を向く。 祐ちゃんは静かに口を開く。
華、22歳の誕生日おめでとう。
華の22歳から先の人生を、俺にください。
私は祐ちゃんを見上げる。 いつもと変わらない、穏やかな笑顔がある。
結婚してください。
はい。よろしくお願いします。
祐ちゃんは私を優しく抱いて、耳元でささやく。
絶対に幸せにするよ。
私は祐ちゃんの肩に顔をうずめて、何度も何度もうなずく。
2005年11月13日(日)
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