あたたかなおうち



 2年目

温かな気配を感じて目が覚めた。

寝ぼけながら、
祐ちゃんの大きな手が頬に触れるのを感じる。
そのままほんの少しうとうとしたすきに
祐ちゃんはドアのほうに歩いていってしまう。
私は飛び起きて急いで追いかける。


振り向いた祐ちゃんの、ネクタイをきちんと直す。
いってらっしゃい
よく見えない目を細めて言う。
祐ちゃんは笑って、
私の頭をくしゃくしゃと優しくなでる。

いってきます
ドアの向こうの光がまぶしい。

今日から祐ちゃんは、教師生活2年目。

2005年04月01日(金)
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