あたたかなおうち



 

祐ちゃんが針金で作った羽をくれた。
学校の工作で作ったのだという。


壁の高いところくくりつけながら、祐ちゃんが言う。

華には羽があるからね


私は泣きそうになる。
もう、だめだ。
自分に自信がもてない。
何をやってもうまくいかない。
…本当に先生になれるんだろうか。


“魔女の宅急便”のキキ、飛べなくなるでしょ


羽をつけ終えた祐ちゃんが、私の隣に座る。
おでこにキスをしてくれる。


でもキキは、また飛べるようになったでしょう?


私は涙が溢れてうなずくことしかできない。

2004年12月14日(火)
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