あたたかなおうち



 花びら

母から手紙が来た。

私は高校時代に家を離れたので、
もう何年も母と手紙のやり取りをしている。

たわいのない話、日常の出来事が綴られ、
最後にこんな一文が添えられている。

今更おかしいのですが
お父さんのことを
深く深く愛していることに気がつきました。




大学1年の春、一人暮らしをしてまだ間もない頃に
母からの手紙が届いた。

桜の花びらが丁寧にティッシュに包まれて入っていた。
たった、一枚だけ。

地面に落ちてしまう前の花びらは
幸せのお守りなのだそうです。


舞い落ちる花びらを
一生懸命追いかける母の姿が目に浮かぶ。


お母さん、
私は本当にお母さんの娘に生まれてきて幸せです。

2004年12月08日(水)
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