あたたかなおうち



 筆談

久し振りにサークルに参加した。
引退してからすっかり顔を出さなくなった。


少し遅れていくと、メイが小さく手を振っている。
ほっとして、私は笑顔で隣に座る。
まわりはもうほとんどが後輩ばかりだ。


会議中、声を潜めてメイと筆談をする。
たわいのない話。
ふたりでくっくと笑う。


その時、メイが小さく声を上げた。
あっこれ
私は笑って頭を掻くしぐさをする。
メイはおどけて私の肩を押す。


良かったね、華
私の左手を見ながら、穏やかに笑って
メイはさらさらと綴る。

2004年11月18日(木)
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