Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 F1、アロンソが地元で貫禄を見せる
2008年04月27日(日)

 F1第4戦スペイングランプリ決勝。ヨーロッパラウンドの開幕戦となる今回のレースは、前日の予選で2005、2006年のワールドチャンピオンである地元の英雄フェルナンド・アロンソが、戦闘力で劣るルノーでスーパーラップを叩き出し、今シーズン最高位となる2位フロントローの好位置につけ観客を沸かせた。

 アロンソは2006年にルノーで2度目のチャンピオンに輝いた後、2007年にマクラーレン・メルセデスに移籍したが、マクラーレンではチームメイトのルイス・ハミルトンやチーム内での確執もあり、1ポイント差でタイトルを逃す結果となり、わずか1年でマクラーレンとの契約を解除して今シーズンは再びルノーへと舞い戻ってきた。
 ところが、2005、2006年と連覇を達成したルノーは、アロンソが不在となった昨シーズンから不振を極め、今シーズンもここまでの開幕3戦はマシンに速さがなく、アロンソのドライバーの腕で何とか6ポイントを獲得するに留まっていた。
 しかし、ルノーは開発力に優れたアロンソからのリクエストに応え、マシンに大幅な改良を施して今回のアロンソの母国であるスペイングランプリに臨んだ。その結果が、早くも予選で功を奏したことになる。

 アロンソは予選終了後に、「フロントローにつけたのは、燃料搭載量が少なかった(マシンが軽かった)からだ」とコメントしたが、それでも改良されたマシンに対しては希望的な感触を持っているようだった。

 そして今日の決勝。地元スペインファンの期待を一身に背負ってスタートしたアロンソは、出だしこそ良かったものの、その後の伸びで3番手スタートのフェリペ・マッサ(フェラーリ)にかわされ3位で1コーナーに入っていった。
 その後2度のセーフティーカー導入で混乱したレースだったが、アロンソは大方の予想通り15周目という早いタイミングでピットインし、フェラーリやマクラーレン、BMWザウバーにはまだ及ばないものの、実質今回のレースでは5位争いを展開する活躍を見せていた。

 しかし、35周目で観客の声援は悲鳴へと変わることとなった。何とアロンソのマシンがエンジンブローを起こし、白煙を上げてグリーンゾーンに止まってしまったのだ。アロンソはよりによって母国グランプリで今シーズン初リタイアを喫するという皮肉な結果となってしまった。

 今回はあいにくリタイヤとなってしまったが、ルノーのマシンパッケージとしては、今回の大幅なアップデートによって、少なくともポイント圏内で争えるだけのポジションに戻ってきているのは間違いないだろう。ルノーは今後さらなる開発を進め、次の目標を表彰台圏内に定めている。

 今シーズンも佐藤琢磨と同様にフェルナンド・アロンソを応援している僕としては、彼が早く表彰台の頂点に戻ってきてくれることを大いに期待しているが、まずは今回、アロンソが久々に元チャンピオンの貫禄を見せつけてくれたことに興奮を隠しきれない。

 やはりアロンソのマシン開発能力は驚くべきものがある。昨年アロンソはマクラーレンに移籍し、勝てるマシンを作り上げた。しかしマクラーレンはそれに感謝し、そのお礼にアロンソをチームから蹴り出してしまったのだ。昨年アロンソのチームメイトで旋風を巻き起こしたスーパールーキーのルイス・ハミルトンは、今シーズンはチームを去ったアロンソの技術的な経験を失って不自由しているのか、昨年ほどの活躍が今までのところ見せられないでいる。昨年はアロンソがハミルトンのセットアップを助けているとの見方も出ていたが、マクラーレンのここまでのレースを見ていると、あながちその説も間違っているとは言えなさそうだ。

 今シーズンはまだまだアロンソにとっては厳しい状況が続きそうだが、シーズン後半には、何とか1勝ぐらいは挙げて欲しいものである。



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