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■ ダニカ・パトリック、女性史上初優勝
2008年04月21日(月)
2008年のIRLインディカーシリーズ第3戦ブリヂストン・インディジャパン300マイルが、栃木県のツインリンク・もてぎで開催された。
低い気温、強い風、連日の降雨でグリップが低くなっている路面と、ドライビングが非常に難しいコンディションでの戦いは、ポールポジションからスタートしたエリオ・カストロネベスやスコット・ディクソン、昨年度ウイナーのトニー・カナーンらの強豪が争う展開となったが、ゴールまで60周をきってから出されたフルコースコーションを利用し、148周目にカストロネベスとダニカ・パトリックがピットイン。ゴールまで無給油で走りきる作戦を採用した。彼らの作戦は見事に的中し、レース終盤、土壇場はこの2人による優勝争いが展開された。
周回数も残りわずかと言うところで、ディクソンを先頭とするトップグループは短い燃料補給を行い、彼らがピットにいる間にカストロネベスとパトリックは1位、2位へとポジションを上げた。そして、もうゴールまで2周となったとき、燃料の残量が厳しくなったカストロネベスは大きくペースダウンし、パトリックは彼をパスし、そのままトップでチェッカーを受けキャリア初優勝を挙げた。アメリカのオープンホイール・レースは1909年からという長い歴史を誇るが、女性ドライバーがトップ・オープンホイール・シリーズで優勝するのは史上初のことである。今回サーキットの訪れた観客たちは、トップフォーミュラーレースの歴史的瞬間を目の当たりにしたのだ。
ゴール直後のダニカ・パトリック(c)nifty
表彰台に登ったトップ3(c)nifty
ダニカ・パトリックは1982年生まれの26歳、アメリカ人である。10歳でカートレースにデビューし、97年に世界カート協会グランド・ナショナル選手権HPVクラスチャンピオンとなる。2003年からチャンプカー・ワールド・シリーズの傘下であるトヨタ・アトランティック・シリーズに参戦、ランキング6位になる。2004年も同シリーズに参戦し、ポールポジション1回、ポートランドで2位に入賞するなど活躍し、ただ1人全戦完走を成し遂げ、ランキングは3位となる。
2005年にレイホール・レターマン・レーシングから女性としてはサラ・フィッシャーに次ぐ2人目としてインディカー・シリーズにデビュー。第5戦のインディ500では女性として初のラップリーダーとなり、2007年現在でインディ500史上女性最上位となる4位に入賞する。また、第8戦カンザスでの初ポールポジションを皮切りに、ルーキーとしては最多タイとなる3回のポールポジションを獲得することとなる。この年は雑誌の表紙を飾ったり、アメリカスポーツ界に一躍ダニカ旋風が巻き起こることとなった。 2006年は所々で良い走りをみせるものの、チーム共々不振に陥っていたが、2007年アンドレッティ・グリーン・レーシングへ移籍し、自己最高位となる2位に1回、3位に2回入賞するなどしてランキングは7位となった。
今シーズンは今回の自身初勝利により、第3戦終了時点で98ポイントとなり、ポイントリーダーのエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)に14ポイント差のランキング3位に浮上した。
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