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■ ロリー・バーン、フェラーリ長期残留へ
2006年10月20日(金)
かねてから夫人と共にタイのプーケット島で隠遁生活を送りたいと言っていたフェラーリ・チームの前チーフデザイナーであるロリー・バーンだが、さらに3年間フェラーリに残留することになったようだ。ロリー・バーンは今年2月にこれまで務めていたチーフ・デザイナーを辞し、同部門の責任者にはアルド・コスタ氏、またチーフ・デザイナーのポジションはニコラス・トムバジス氏(前マクラーレン)を充て、その後自身はデザインと開発部門でコンサルタントの役目を果たしていた。
ロリー・バーンといえば、ミハエル・シューマッハの黄金期に必要不可欠なメンバーの1人で、シューマッハがベネトン時代の94、95年にタイトル2連覇を成し遂げたマシンを作り上げ、96年にシューマッハがフェラーリへ移籍すると、ロリー・バーンも同じくベネトンの名戦略家ロス・ブラウンと共にフェラーリへ移籍しチーフデザイナーに就任、その後2000年から2004年までのシューマッハ5連覇を実現させ、シューマッハがタイトルを獲得したすべてのマシンを手掛けた人物である。戦略家ロス・ブラウンと並び、ロリー・バーンなくしてシューマッハの7度のタイトル獲得はあり得なかったと言っても過言ではない。
ミハエル・シューマッハが今シーズンをもってF1を引退するのに伴い、ロス・ブラウンはチームを離脱すると言われているが、ロリー・バーンは引き続きフェラーリに残り、今後さらに3年間、今シーズン同様フェラーリのマシン開発に携わることとなった。フェラーリのマシンは今や他のライバルチームを一切寄せ付けないほどの信頼性と安定した速さを持っており、今シーズンはシューマッハのチームメイトであるフェリペ・マッサも勝利を挙げていることから、シューマッハがおらずとも勝てるマシンであることは疑いのない事実だ。一部ではシューマッハがいたからこそフェラーリはタイトルを獲得できたと勘違いしている者もいるようだが、FIAによる恩恵もあり、明らかに今のフェラーリのマシンは、誰が乗っても勝てるほど最強であると言える。
来シーズンのフェラーリは、フェリペ・マッサが残留し、マクラーレンからキミ・ライコネンが移籍することが決まっているが、ロリー・バーン残留によって、マシンの強さが今後も維持されるのは確実だ。そうなれば、来シーズンはキミ・ライコネン、もしくはフェリペ・マッサがタイトル争いを繰り広げる可能性が高いだろう。いずれにせよライコネンにとっては、これまで速かったにもかかわらずメルセデスエンジンのもろさが足かせとなってチャンピオンになれなかったが、来シーズンは初タイトルを狙う大きなチャンスであると言えるだろう。また、マッサもライコネンより1年早くフェラーリに加入しており、ライコネンに対してアドバンテージを持っている。フェラーリがマッサとライコネンのどちらに肩入れするかが見物である。
ただ、シューマッハ時代のような、シーズン序盤からのチームオーダーは勘弁してもらいたいものだ。
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