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■ F1、ウェバーとビルヌーヴの明暗
2006年08月08日(火)
先日のVoiceで、BMWザウバーのジャック・ビルヌーヴがハンガリーグランプリを前にロバート・クピサと交代したこと、そしてウィリアムズ・コスワースのマーク・ウェバーが今シーズン限りでウィリアムズを離脱することをお伝えしましたが、そのビルヌーヴとウェバーの続報が相次いで入ってきました。
まずジャック・ビルヌーヴはハンガリーグランプリの直前に、その前のドイツグランプリでのクラッシュが原因による体調不良を理由に、急遽テストドライバーのロバート・クピサとの交代がチームから発表されましたが、やはりビルヌーヴは更迭されたようです。
BMWザウバーは昨日、今年末まであったビルヌーヴとの契約を5戦早く終了させることで合意したと発表しました。BMWザウバーのディレクター、マリオ・タイセンは「ビルヌーヴはわれわれの新しいチームでマシンと体制の発展に大きく寄与してくれた。しかし残りのシーズン、クビサをレース環境で評価する方針を決め、これに伴いビルヌーヴの不確実な状況から解放するため、契約を解除することにした。今後の彼の幸運を祈りたい」と語りました。解雇しておきながら「解放した」というお決まりの表現ですな。 一方のビルヌーヴは「先週、チームは来季の契約のオプションについて、ハンガリーグランプリでロバート・クビカを評価することを含む提案を僕に呈示してきた。その時点でハンガリーグランプリ以降の僕のシートに関しては何の保証もされていないことがわかった。これに伴い、僕は直ちに別の道を歩むことを決断した。来年これまでの経験をもとにBMWザウバーと共に働くのを楽しみにしていただけに、ほんとうに残念に思う」と語り、失望感を露わにしました。
これにより、BMWザウバーは今シーズン末まで引き続きロバート・クビサを起用するものとみられます。クビサはそのデビュー戦となったハンガリーで最終的に失格処分になったとはいえ、予選では先輩ハイドフェルドを上回り、初めての決勝レースでも堂々7位でフィニッシュするなど素晴らしいパフォーマンスを示したました。ビルヌーヴが35歳なのに対し、クピサはまだ21歳。そしてクピサは金曜フリー走行などでしばしばトップタイムをマークするなど将来有望で、いくらビルヌーヴが97年のワールドチャンピオンだとしても、ここ数年の不振ではクピサにシートを奪われても致し方ないと言わざるを得ないですね。
一方、今シーズン限りでウィリアムズを離脱することが決まっていたマーク・ウェバーの方は、早くも来シーズンの移籍先が決定し、レギュラーシートは安泰のようです。 その移籍先はレッドブル。これにより来シーズンのレッドブルはベテランドライバーのデビッド・クルサードとマーク・ウェバーというラインアップになり、今シーズンクルサードとコンビを組んでいるクリスチャン・クリエンはシートを追われることになりました。
ウェバーは2004年まで在籍したレッドブルの前身ジャガー以来の復帰ということになります。クルサードは奇しくもビルヌーヴと同じ35歳ですが、彼はレッドブルでの評価が高く、堅実で安定した走りを買われて来シーズンはレッドブルで3年目を迎えます。ウェバーは29歳で、来シーズンのレッドブルは中堅ドライバーコンビと言うことになりますね。
ウェバーの方はシートが決まるのが早かったですねえ。今月2日にウィリアムズからウェバーの放出とアレクサンダー・ブルツの起用が発表されたばかりで、そこからレッドブルとの契約を交わすまでにわずか1週間でしたからねえ。ウェバーの場合はウィリアムズの代表フランク・ウィリアムズとの間で契約金の折り合いが付かなかったために放出されたと言われていますが、やはりビルヌーヴと違い、ドライバーとしての評価は高いんですね。 しかもレッドブルと言えば、現時点ではまだ来シーズンのエンジンは確定していませんが、F1随一と言われる天才デザイナー、エイドリアン・ニューウェイが今シーズンから加入していますから、もしかしたら来シーズンのレッドブルは飛躍的にパワーアップするかもしれません。ただでさえレッドブルはジャガーを買収して新規参入した昨シーズンから安定した成績を残し、今シーズンもたびたびポイントを稼いでいますから、さらにニューウェイがマシン開発に携われば、初優勝も夢ではないでしょう。
ビルヌーヴとウェバー、明暗が分かれましたね。
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