Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 F1第13戦ハンガリーグランプリ(予選)
2006年08月05日(土)

 ……いや〜、予選前から大波乱でしたね。

 ハンガリーグランプリの舞台ハンガロリンクは非常にコース幅が狭いコンパクトなサーキットで、市街地を走るモナコグランプリに次いで抜きにくいサーキットです。そのためスターティンググリッドが非常に重要となってくるのですが、そのグリッドを決める予選を前に、タイトル争いを演じるフェルナンド・アロンソ(ルノー)とミハエル・シューマッハ(フェラーリ)に対して、相次いで大きなペナルティが科されました。

 まずはアロンソが昨日のフリー走行セッション中、イエローフラッグが振られていたにもかかわらず、レッドブルのロバート・ドーンボスを追い越し、さらにドーンボスの前で急減速をするという違反を犯し、公式予選の各ピリオドで、それぞれ最速タイムに2秒加算されるという大きなペナルティを受けました。
 この時点で現在ポイント争いで首位に立っているアロンソを11ポイント差で追うシューマッハが非常に有利となり、シューマッハが優勝してアロンソがノーポイントに終われば一気に1ポイント差にまで迫れるという絶好の状況だったのですが、何と今度はそのシューマッハにもペナルティ!
 シューマッハが犯した違反は、今日の午前中に行われたフリー走行セッションで、ジェンソン・バトンのストップによる赤旗中断が出た際に、シューマッハが他車を追い抜いたというもので、奇しくもライバル同様予選各ピリオドで最速タイムに2秒加算されるというペナルティを受けました。

 そして注目の予選セッション、アロンソとシューマッハは共に第1ピリオドはクリアしたものの、続く第2ピリオドで力尽き、結果明日の決勝でシューマッハは12番手、アロンソは15番手からのスタートとなりました。
 ポールポジションを獲得したのは前戦ドイツグランプリに続いて2戦連続となるマクラーレン・メルセデスのキミ・ライコネン。2番手にフェリペ・マッサ(フェラーリ)が続き、ルーベンス・バリチェロ(ホンダ)、ペドロ・デ・ラ・ロサ(マクラーレン・メルセデス)、マーク・ウェバー(ウィリアムズ・コスワース)、ラルフ・シューマッハ(トヨタ)、ジャン・カルロ・フィジケラ(ルノー)、ヤルノ・トゥルーリ(トヨタ)と続き、ジャック・ビルヌーヴの代役として今回F1デビューを果たしたポーランド人初のF1ドライバー、ロバート・クピサ(BMWザウバー)が同僚のニック・ハイドフェルドの前9番手を獲得しました。

 まずは昨日のフリー走行で違反を犯したアロンソですが、チームがイエローフラッグを無線でアロンソにしっかりと伝えなかったこともありますが、アロンソもあからさまに焦りが伺える出来事でした。アロンソは前戦ドイツグランプリの予選でも、シューマッハがピットレーンで前を横切って来たことに関して拳を挙げていましたし、そのコース上でもエキサイトしたりしていました。今回はドーンボスをオーバーテイクした後に不用意な急減速をして結果的にペナルティを重くしてしまいました。アロンソはここ数レースで続けざまにシューマッハにポイントを縮められて非常にナーバスになっているようですが、今回の一件はアロンソの自業自得としか言いようがありません。やはり若さ故、なのでしょうか。

 しかし、今日の午前中のシューマッハの違反は、とても不可解でしたね。シューマッハの違反は前述の通り、バトンのストップによる赤旗中断が出た際にシューマッハが他車を追い抜いたというものですが、シューマッハが抜いたマシンというのは前をゆくクピサとアロンソ……何だか色々なことを想像してしまいます。
 いずれにせよ、シューマッハの違反に関してもチームが即座に無線で赤旗が出ていることを知らせなかったことが大きな原因になっているものと思われ、フェラーリはアロンソとルノーとのポイント差を大幅に縮めるチャンスを自ら棒に振ってしまったことになります。もったいないですね。

 しかしまあ、明日のハンガリーグランプリ決勝は、これで非常に面白い展開になりそうです。シューマッハとアロンソはともに後方からのスタートですが、それでもシューマッハはアロンソより3つ前の12番グリッドからのスタートですから、依然としてシューマッハ有利には変わりありません。シューマッハがアロンソより前でなおかつポイント圏内でフィニッシュすれば、さらにシューマッハはアロンソとのポイント差を縮めることができるわけです。

 明日の決勝は、今シーズンの大きなクライマックスになりそうですね。



↑エンピツ投票ボタン
My追加


≪過去 未来≫ 初日 最新 目次 MAIL HOME


My追加