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■ ホンダにはENEOSが相性がいいのか?
2006年02月21日(火)
【2006 Voice Rally Result】(Update:February24) Mako Hakkinenn(M-NEST.net/JPN)…… -3days
F1の世界では、各コンストラクターチームがそれぞれエンジン、タイヤ、オイル、その他のパーツメーカーなどとパートナーシップを組み、強力な相互関係のもと最高のマシンを作り上げ、レースを戦っています。そして各チームはワークスチームとプライベーターチームとで技術力や資金力に開きはあるものの、皆「F1の頂点を目指す」という目標を持って参戦しています。 そのため各チームは、それぞれのパートナーの技術を結集し、より大きなパワーを、より速いスピードを、そしてより大きな信頼性を追求し続けているわけです。
さて、特に世界最高峰のモータースポーツであるF1では、こうした“総合力”が非常に重要になってくるわけですが、ただ闇雲に強いエンジン、良いタイヤ、良いオイルを使えばいいと言うわけではなく、チームやシャシーによって、それぞれ“相性”というものがあるのです。
例えば一番わかりやすいのが、シャシーとタイヤの相性。通常コンストラクターチームでは、マシンを開発する前の段階で供給されるタイヤが決まっていることがほとんどで、そのタイヤに合わせたマシン開発を進めていくのが一般的だと言われています。やはりタイヤは唯一地面に接している部分ですから、そのタイヤがマシンの挙動や速さに及ぼす影響は大きいため、チームはタイヤにあったシャシーを開発していくというわけです。 マシンの原動力となるエンジンとの相性も同じで、当然エンジンメーカーによってピストン構造や排気構造、それに大きさや形、重量も違いますので、シャシー開発に大きく影響してくると言えます。シャシーを作ってからいざエンジンを装填しようとしたら、エンジンルームにエンジンが収まらなかった……なんてことになったらシャレになりませんからね。
さて、シャシーとタイヤ、シャシーとエンジンの相性は比較的わかりやすいと思いますが、もう一つ、エンジンとオイル(ガソリン)という相性もあるということをご存じでしょうか。
我々一般人が自分の乗用車にガソリンを入れるときは、大抵「どこのガソリンでも同じだろう」とあまりメーカーなど気にせず、シェルで給油したりENEOSで給油したりESSOで給油したりとまちまちですよね。しかし、実際には様々なガソリンメーカーがあるからにはそれなりに違いがあるわけで、成分も違えば品質や性能も違いますし、それぞれのガソリンには個性があるわけです。 ただ、普通乗用車はF1ほどエンジンに負担をかけるようなことはなく、エンジンの持つ性能を限界まで引き出してスピードや耐久性を競うわけでもないので、どのメーカーのガソリンを入れても、または複数のメーカーのガソリンを混ぜてしまったとしても、特にエンジンに問題が起こるということはないわけです。
しかし、F1の世界ではそうはいきません。
F1では各エンジンメーカーが日夜研究開発やテストを繰り返し、高い回転数、高い馬力、そして高い信頼性を追求していますが、そのエンジンの性能を最大限に効率よく引き出すためには、そのエンジンにあったオイルやガソリンが必要であるというわけです。F1用のエンジンは、ガソリンが変わるだけで性能がガラリと変わってしまうと言われているほど繊細で、これこそがエンジンメーカーとガソリンメーカーの相互関係によって生まれる総合力なのです。
現にF1では、エンジンメーカーとチームのパートナーシップはコロコロと変わってしまう中、フェラーリはシェル、ルノーはエルフ、メルセデスはモービル1といったように、エンジンメーカーとオイルメーカーとのパートナーシップは長年続き、近代F1ではガソリンだけスイッチするなどということはまずありません。
で、なぜ今回はこのような話をしたのかというと、実は今日、ENEOS(新日本石油)がこれまでのホンダチームに加えて2006年は同じホンダエンジンを搭載するスーパーアグリ・フォーミュラ1へもエンジンオイルおよびギヤオイルを供給することを正式発表したからです。(前置き長……)
ENEOSは2000年(当時は日石三菱)からホンダにF1レーシングカーのエンジンオイルを供給しており、その開発実績について高い評価を受け、昨シーズンからはエンジンオイルに加えギヤオイルの供給も開始しました。つまり、ホンダはENEOSを自社のF1エンジンと最も相性の良いガソリンメーカーとして選び、2000年のホンダF1復帰から今日まで両者は変わらずパートナーシップを続けてきたと言うことになるわけです。
で、ちなみに僕の愛車S2000もホンダエンジンなのですが、僕の場合実家のすぐ近所にあるガソリンスタンドがシェル石油であること、父も長年そのお店で給油しているので付き合いが長いこと、シェル石油のハイオクガソリンが「シェル・ピューラ」と呼ばれるエンジンをきれいにするガソリンであること、さらにはエンジンオイルがF1のフェラーリと共同で開発された「HELIXウルトラ」であることから、ずっとS2000にはシェル石油のハイオクガソリンを給油し続け、基本的には他社のガソリンは一切給油してきませんでした。
ガソリンのメーカーを1社だけに統一して、ずっとその1種類だけのガソリンを給油し続けることで、不純物がなくなって燃費も向上し、エンジンも長持ちするようになると言われていますが、僕もここらでホンダが最も相性がいいと選んだENEOSに乗り換えた方がいいのでしょうかねえ。
S2000は普通乗用車とはいえ、ホンダが技術の粋を結集して開発した久々の本格FRスポーツカーですから、エンジンも9000回転まで回り250馬力を絞り出すV−TECエンジン。ホンダがENEOSを選んだことを考えると、ENEOSに乗り換えるべきか、シェルを継続するか悩んでしまうんですよね。
それと、シェルってどこのお店もだいたい遅くても10時ぐらいには閉まっちゃうんですよ。それに引き替えENEOSは24時間営業のお店が増えていますからねえ。
……でも、シェルのXカード持っているから、全国どこのシェルでもカードで給油できちゃうんですよね。最近「おまかせくん倶楽部」は解約しましたが、家の近所なので利便も良いし……。
……うーん……。
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